ママチャリ自転車のタイヤを新品に交換するときにタイヤがなかなかリムにはまらないことがあります。
それはタイヤ交換にはコツが必要だからです。
私も自転車修理を始めたばかりの頃にタイヤが車輪にはまらないことを何度も経験しました。
それはコツを知らなかったからです。
力ではありません。
コツさえつかめば誰でも簡単に交換できるようになるんです。
本日は自転車のタイヤ交換を初めて行う方を対象に新品タイヤをリムに上手にはめるコツについてお話ししますよ。
そして、「どうしても入らない!なんか簡単な方法はないの?」という場合の裏技もご紹介します。
自転車のタイヤを新品に交換する時のコツはこれ!
初心者の方が自転車のタイヤを新品に交換する時に、新しいタイヤがなかなか車輪に収まってくれないことがあります。
その時には次のことを試してみてください。
ビードをリムにしっかり落とす
これはタイヤを外す時にも使えるコツですが、新品のタイヤを装着する時にこそ、とても大切なスキルです。
なぜならば古いタイヤはゴムが薄くなっていて柔らかくなっているからです。
そのため「ビードをリムに落とす」という技術が多少いい加減であってもタイヤは外れてくれるんです。
ところが新品のタイヤの場合は、ゴムが新しく分厚いのでとても硬いです。
「 ビードをリムに落とす」という作業をしっかりとしていないとタイヤが全くはまらないということになってしまいます。
新しいタイヤをリムにはめるときのコツは、古いタイヤを取り外す時と同じです。
と言うよりも古いタイヤを外す時以上にしっかりと「ビードを落とす」ことが求められます。
タイヤのビードの部分だけを切り取ったものを使って説明します。
これがビードとリムの通常の状態です。
そしてビードを落とした状態がこちらです。
このようにビードをリムの段差にしっかり落とすことがタイヤを上手に装着するコツになります。
別の角度から見てみましょう。
こちらがビードが通常の状態です。
この状態で街中を走っているんです。
そしてこちらがビードを落とした状態です。
しっかりとビードを落とすことが出来れば次の画像のようにビードとリムの間に大きなすき間が出来ます。
ここまで大きなすき間が出来ると、外すのはもちろん装着も簡単に出来ます。
ところがどっこい、新品タイヤはそう上手くは行かないんですよね、これが!
自転車のタイヤの取り付け方はこれ!
では一般的なタイヤの取り付け方法について具体的に見ていきましょう。
今回使うのはこちらの新品のタイヤです。
シンコー デミング スーパー ロング&タフ SINKO DEMING SUPER LONG&TOUGH
通常新品のタイヤとチューブの交換をする時には、ついでにリムテープも新品に交換するものです。
しかしこのタイヤリムにはリムテープの代わりにビニールテープを貼り付けてあります。
これは親戚で自転車店を営んでいた叔父から教えて頂いた方法です。
なので今回に限り、リムテープを交換する工程は省きましたが通常はリムテープも交換するものと覚えていてください。
まずは、下記の画像のようにリムの上にタイヤとチューブのセットを載せます。
このタイヤチューブセットにはチューブが既にタイヤに装着された状態で配送されて来ます。
中にはチューブを別に折り畳んだ状態で販売されているものもありますし、チューブがないものもあります。
そのような場合には、タイヤを先にリムにはめてからチューブを入れていきます。
今回のようにもともとタイヤにチューブが装着された状態のものは、わざわざチューブを取り出して別々に装着する必要はありません。
そしてタイヤの側面に印刷されているロゴマークはバルブの位置に合わせるのが一般的です。
理由は二つあって、一つ目は見た目の問題。
もう一つはタイヤがパンクしたときの異物の探しやすさです。
自転車屋さんの新聞折込みチラシに掲載されている自転車の写真はタイヤのロゴの位置をバルブの位置に合わせて装着し撮影します。
なのでロゴがキレイにバルブの位置に合っていると「丁寧な仕事をする自転車屋さんだな!」との印象を与えることが出来ます。
逆にロゴの位置がバルブの位置とずれていると、「それなりの自転車屋さんなんだな!」と思ってしまいます。
でもこれは印象の問題です。
ロゴの位置をあまり気にしないけれども腕の立つ自転車屋さんもたくさんいらっしゃいます。
またタイヤがパンクしたときにタイヤに異物が残っていないかを調べますが、このタイヤ側面のロゴがバルブの位置に合っていると探す作業が格段に容易になります。
私のタイヤ交換の場合、ロゴの位置はあまり気にしていません。
また今回そのことは本題ではないので、ロゴの位置はずれたまま説明を進めます。
まず片側のビードをリムにはめます。
この作業はわりと簡単に出来ます。
場所はどこからでも構いません。
やりやすい位置からはめてください。
そして中のチューブがリムの中に納まるように指で押し込んでいきます。
ここからビードをリムにはめていく作業に入ります。
この時にチューブの中に少し空気を入れてやると作業がやりやすいです。
このタイヤチューブセットの場合はチューブが軽く膨らんでいたので空気を入れることなく作業することが出来ました。
先ずはバルブをバルブ穴に通します。
バルブ穴が見えにくいので立てて作業してみました。
バルブがバルブ穴に通ったらバルブと反対側の位置からビードをリムにはめていきます。
ビードをリムにはめて両手でタイヤをぎゅっとつかみます。
これが『ビードをリムに落とす』という作業です。
そしてビードをリムに落としながら手を左右に広げていきます。
最後はバルブの位置がこんな感じになります。
最後にバルブ部分のビードをはめるのが最も大変です。
ここではタイヤレバーを使ってビードをリムにはめていきます。
バルブの反対側からタイヤをぎゅっとつかんでビードをリムに落としていくんですが、これが上手く出来ないとタイヤレバーを使っても最後のビードをはめることが出来ません。
ポイントは『いかに上手にビードをリムに落とせるか!』です。
このようにタイヤレバーを差し込みます。
そして、タイヤレバーを起こします。
レバーがひっくり返るとビードがリムを越えてくれます。
ビードがリムを乗り越えたらバルブを押し込みます。
そしてチューブがビードとリムの間に挟まっていないか確認します。
これで最大の難関のタイヤをリムにはめることが出来ました。
この部分が最も難しいので、動画にも撮りました。
あとはバルブナットを装着していきます。
バルブの根元のナットはゆるゆるで構いません。
虫ゴムの付いた部品(フランジャーと言います)を装着します。
後は空気を入れて完成です。
最後のビードがリムを越えるところが一番難しいです。
参考にしてくださいね。
自転車のタイヤ交換でどうしても入らない時の裏技はこれ!
しかし初心者の場合、どうしてもタイヤがリムに収まってくれないってことがあります。
それは致し方ないです。
だってベテランでも苦労するところですから。
そこで新人さんに教えるときに私がお勧めしている裏技をご紹介します。
裏ワザと言っても難しいことはありません。
新品タイヤがどうしても入らない時の裏技はこれです。
タイヤをヒモで結ぶ
タイヤが新品の場合難しいのはタイヤ自体が硬いので上手にビードがリムに落ちてくれないからです。
しかしちょっとひと手間加えるだけで、簡単に新品タイヤを装着できるようになるんですよ!
使うのは雑誌や新聞紙を廃品回収に出すときに使っているビニール製のヒモです。
これを使ってタイヤをはめていきます。
ビニールのヒモを40cmくらいの長さに切り、3本~4本準備します。
バルブと反対の位置のタイヤを縛ります。
そして左右20cmのところもヒモで縛ります。
こうすることでバルブの位置のビードが格段にはめやすくなります。
先ほどレバーを差し込んだ時の画像と比べてみるとその差がはっきりと分かりますね!
このくらいになると手の力だけでビードがリムを越えてくれます。
両手でタイヤを絞るように押し込むと良いです。
ビードがリムを乗り越えました。
後はバルブナット虫ゴムを装着して完成です。
このようにヒモでタイヤを縛るとビードが上手くリムに落ちてくれるので最後の山を越えるのがとても楽チンです。
この方法ならタイヤレバーを使わなくても新品タイヤを装着することが出来ます。
動画も撮影しているので参考にしてください。
ベテランの自転車屋さんはこのビニールのヒモを使わずに素手だけでこのような状態を作り出します。
そしてタイヤレバーを使うことなくタイヤをはめてしまいます。
初めて見た時には手品かと思いましたよ!
私も最近やってタイヤレバーを使わずに素手だけでタイヤを装着できるようになりました。
それでも3回に1回はタイヤレバーを使っちゃいますね~!
ヒモを使った裏技も動画に撮りました。
タイヤレバーは便利な工具ですが気をつけないと中のチューブを傷付けてしまうことがあるんです。
実はこの撮影中にもチューブに穴を開けてしまいました。
『あかんがな~!』
それくらいタイヤ交換時はチューブを傷める可能性があるってことです。
『ほんまかいな~?』
ヒモで結ぶ裏技はパンク修理でチューブを引き出すときにも使えるスキルです。
参考にしてくださいね。
まとめ
本日は自転車のタイヤ交換を初めて行う方を対象に新品タイヤをリムに上手にはめるコツについてお話ししました。
どうしても入らない時はビニールのヒモでタイヤを縛るんでしたね。
他にも自転車修理の記事をこちらにまとめています。
自転車タイヤの修理を自分で!ブレーキのやり方とその他まとめ。