自転車のリング錠でボタン式のものがありますよね。
鍵を持ち歩かなくて良いので、とっても便利なんですが、番号を忘れてしまうことがあります。
そんなときは、いったいどうしたらいいでしょうか?
本日は自転車のリング錠の鍵の番号を忘れてしまった時の解除方法について説明します。
自転車のリング錠ボタン式の番号を忘れた!
日本の自転車部品メーカーの老舗である五輪工業(GORIN)はリング錠または馬蹄錠(ばていじょう)と呼ばれる自転車用の鍵を製作しています。
その多くは鍵を差し込んで開けるタイプです。
その製品の中に、鍵を使わないで、番号を押して解錠するリング錠が販売されています。
鍵を持ち歩く必要がないので鍵を紛失したり鍵を曲げてしまったりする心配がなくてとても便利なリング錠です。
ところがひとつだけ欠点があります。
番号忘れてしまうと鍵を開けることができないということです。
毎日番号をリセットして、その都度ボタンを押して解錠している人は鍵番号を忘れるということはありません。
ところが、普段鍵を掛けていない人や友達から借り受けた自転車にこのタイプのリング錠がついていた場合などに、鍵番号を忘れてしまうことがあります。
そんな時の解決方法は次の二つです。
・ 鍵を壊す
・ 番号を探す
【 鍵を壊す 】
今付いている鍵を破壊して取り外し新しい鍵をに交換するということです。
これはどちらかと言うと最終手段的な方法です。
自転車の鍵も消耗品の一つなので、 錆びていたり、動きが悪くなっている鍵の場合は自転車屋さんに持ち込んで新品に交換してもらうというのも一つの手です。
しかし自転車屋さんが近くにない場合は 運ぶのが大変です。
大きなチェーンカッターや、 金ノコなどがあれば自分で破壊することもできます。
でもチェーンカッターや金ノコなどをこの時の為だけにを購入するというのも、なんかもったいない気がしますね。
【 番号を探す 】
私がお勧めしているのは、忘れてしまった番号を探す方法です。
友達から借りた自転車ならば、友達に電話して番号を教えてもらえれば解決します。
しかし、誰も聞く人がいないという場合には困りますよね。
そんな時は次の手順で番号を探してみてください。
原始的な方法ですが、自転車屋さんに持ち込む手間や、金ノコを買いに行く手間を考えたら、これが一番早くて確実かもしれません。
自転車の鍵の番号を忘れた時の開け方はこれ!
自転車の鍵の番号忘れた時の開き方はこれです。
全ての組み合わせを試してみる!
「えーっ! そんなのすごい大変じゃないですか!」って 思うかもしれませんが意外と短時間で開けることができるんですよ。
こちらは近所の方から依頼された番号を忘れてしまったリング錠です。
番号は1から9まで、それに0を加えた10個です。
この10個のうち四つの番号を選択してヘソを押すと鍵が開くようになっています。
ここから数学の問題です。
十個の数字の中から 四つを選んでできる組み合わせは何通りか?
えっと、10×9×8×7=5,040
5,040通りですか?
ピンポン正解!
と言いたいところですが、これは番号の順番も考慮した時の組み合わせです。
5,040通りとは「1234」も「4321」も「3412」も、全て異なる組み合わせとした場合です。
実際には自転車のリング錠は「1234」でも「4321」でも「3412」でも、 どの組み合わせでも開きます。
よって検証しなければならない組み合わせ数はもっと少なくなります。
任意の四つの数字の組み合わせは、 4×3×2×1=24で、24通りあります。
総合して考えると、正しい計算式はこのようになります。
10×9×8×7÷(4×3×2×1)=210
なんと組み合わせは210通りしかないんですね。
具体的には次のような順番で一つずつ番号が合うかどうかを試していきます。
【 1230番台 】
1234
1235
1236
1237
1238
1239
1230
【 1240番台 】
1245
1246
1247
1248
1249
1240
【 1250番台 】
1256
1257
1258
1259
1250
【 1260番台 】
1267
1268
1269
1260
【 1270番台 】
1278
1279
1270
【 1280番台 】
1289
1280
【 1290番台 】
1290
ここまでで28通りです。
以上で1200番台の全ての数字の検証が完了しています。
続いて1300番台の検証に入ります。
【 1340番台 】
1345
1346
1347
1348
1349
1340
【 1350番台 】
1356
1357
1358
1359
1350
【 1360番台 】
1367
1368
1369
1360
【 1370番台 】
1378
1379
1370
【 1380番台 】
1389
1380
【 1390番台 】
1390
ここまで1300番台の21通りの検証完了しました。
次は1400番台です。
【 1450番台 】
1456
1457
1458
1459
1450
【 1460番台 】
1467
1468
1469
1460
【 1470番台 】
1478
1479
1470
【 1480番台 】
1489
1480
【 1490番台 】
1490
ここまで、1400番台の15通りの検証が完了しました。
見ての通りだんだんと組み合わせの数が少なくなっているのが分かると思います。
同様に、1400番台1500番台・・・7890番台まで検証して行きます。
ここまでとても大変なように感じるかも知れませんが、後半に行けば行くほど組み合わせが少なくなっていくので、楽になります。
1234や2345のように右側の数字が常に大きな数字になっているのが分かりますか?
1243とか2435のように右側へ小さな数字の来ることはないんですね。
だから、一見大変そうに感じますが、実はそれほどではありません。
私は一つの番号を3秒で検証するので 210通りの全ての組み合わせを検証するのに210×3=630秒しかかかりません。
630秒とは、10分30秒です。
つまり10分もあれば、必ず鍵が開くと言うことなんです。
引っ掛かりに注意して!
番号を一つずつ試していけば、いつか必ず鍵が開くと言うことは理解していただけたと思います。
次に問題となるのが、「引っ掛かり」の問題です。
鍵の番号は正しいのに、引っ掛かってリングの動かないことがある!
せっかく正しい番号を押しているのに、錆(さび)や汚れなどが原因でリングの動かないことがあります。
そして次の番号に行ってしまっては元も子もありません。
そうならないように、「衝撃を与える」ことが必要となります。
私の場合は、このような棒を使ってヘソの部分を軽く「カンカン」叩きます。
この棒はサドルの支柱に古いタイヤチューブを巻きつけたものです。
普通のお家にはこんなものありませんから、角材などで代用してください。
指で押しても構いませんが、ずーっと指で押しているとだんだん指が痛くなります。
開錠方法のおさらい
開錠方法をおさらいします。
①任意の番号を4つ押します。
②ヘソを押し込みます。
③リセットボタンを押す。
これを繰り返します。
検証作業の動画がありますのでご覧になってください。
そして実際に鍵が開いた瞬間の画像がこちらです。
ヘソを「カンカン」と叩いてちょっとだけリングの動いたのが分かると思います。
新品ならばカチャンと開くんですが、古くなったリング錠はリングの動きの悪いことがあります。
この鍵の番号は「2360」でした。
ところでこの番号は自分で変更できるんでしょうか?
これまで紹介してきたリング錠のカギ番号は変更できません。
一般に普及しているリング錠はほとんどがカギ番号の変更出来ない物です。
自転車の鍵の番号を変更出来るタイプもあるの?
リング錠にもいくつか種類があります。
カギ番号をいつでも変更出来るタイプのものも数は少ないですがありますよ。
こちらはダイヤルを回してヘソを押すタイプです。
カギ番号を任意に変更することができます。
普通のママチャリやシティサイクルに適合する商品です。
マウンテンバイクには取り付け出来ませんので注意してください。
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まとめ
本日は自転車のボタン式リング錠の番号を忘れてしまったときの開錠の仕方についてお話しました。
時間はかかりますが落ち着いて作業すれば必ず開錠することが出来ますよ。
がんばってくださいね!
その他、自転車に関する記事はこちらにまとめています。
自転車タイヤの修理を自分で!ブレーキのやり方とその他まとめ。