ウチの娘の自転車は変速機の付いていない普通のママチャリでした。

ところが、高校に通うのに坂道があるので大変そうでした。

そこで変速機を付けてやりたいと考え、別の古い自転車の内装3段変速機を移植してみました。

いろいろな困難がありましたが、何とか完成しました。

本日は無変速のママチャリ自転車に内装3段変速機を移植する時のコツについてお話ししますね。

この記事は自転車の後輪を外しての作業となります。

後輪を外してタイヤの交換をしたことのある方のレベルに合わせて記事を書いています。

あなたの参考になれば幸いです。

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ママチャリ自転車に内装3段変速機を移植することが本当に出来るのか?

ウチの娘の自転車です。

この自転車自体も昭和50年頃の年代物です。

叔父(おじ:母の弟)が自転車屋さんを営んでおりましたが、5年前に店を畳みました。

その時に倉庫に眠っていた箱に入ったままの古い自転車をもらったんです。

娘の高校入学が決まって自転車通学をすることになったので、あわてて倉庫から引っ張り出して整備したものです。

ペダルやサドル、前カゴを現代風の部品に交換し、ライトもLEDオートライトを後付けで取り付けました。

娘は雨の日も風の日も自転車をこいで通学しています。

妻から「変速機付けられないかしら?」と依頼を受けたので、俄然やる気になって何としてでも成し遂げたいと思い、取り掛かりました。

大まかな作業方針は次の通りです。

古い別の内装3段変速機を移植する

倉庫に私が5年前まで乗っていた古い内装3段変速機の自転車があったんです。

「これを利用できないか?」

そのためには次の問題をクリアしなければなりませんでした。

・後輪の大きさが違う

・変速機の切り替えレバーの色が異なる

・変速機のケーブルを通す穴がない



【 後輪の大きさが違う 】

古い内装3段変速機の自転車は27インチですが、娘の自転車は24インチです。

車輪の大きさが違うのでこのままでは移植できません。

そこで古い27インチの後輪のスポークを全て外して、24インチのリムに組み替えなければなりません。

幸いこれまた別の古い24インチのリムがあったので、後はスポークを購入するのみです。

モノタロウというサイトでスポークだけを購入することが出来るので、モノタロウでスポークを購入して組み替えました。

こちらが組み上げてブレ調整をしたあとの写真です。

後輪の組み上げについてはこちらの記事が参考になります。

 → ただいま準備中です。しばらくお待ちください。

【 変速機の切り替えレバーの色が異なる 】

古い変速機は黒色ですが、娘の自転車はベージュを基調とした明るい色です。

この際、変速機の切り替えレバーは新調することにしました。

そして「内装3段グリップシフト」と言うタイプの切り替えレバーを購入しました。

これはハンドルを握った状態でグリップを捻(ひね)ってシフトチェンジが出来ます。

その代わりグリップはハーフタイプと言う短いグリップを使います。

これもモノタロウで購入できました。

【 変速機のケーブルを通す穴がない 】

これは古い自転車の宿命ですね。

変速機が一般的になった今で変速機を後付けできるように、車体フレームにあらかじめ、ブレーキのケーブルと変速機のケーブルの2本を通せるようになっていますが、古い車種はブレーキケーブルを通す穴しかありません。

ウチの娘の自転車もそうでした。

ここはタイラップという電気工事の配線などを固定するプラスチックのバンドを使って固定することを考えました。

この写真が部品類です。

グリップ(ロング&ハーフ)1組、内装3段グリップシフト、タイラップ

ただしこのタイラップは間違えて黒色を買ってしまいました。

あとからベージュタイプを購入したのは言うまでもありません。

タイラップは商品名でインシュロックと言うのも同じものです。

一般的には結束バンドと呼ばれています。

と言うことで、三つの問題をクリア出来たので交換に取り掛かりました。

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ママチャリ自転車に内装3段変速機を移植する方法はこれ!

ではさっそく作業の詳細をお話ししますね。

後輪を作業台に乗せて作業開始です。

この作業台も叔父からいただいたものです。

台がなければひっくり返して作業するのはみなさんご存知の通りです。

下にバスタオルか段ボールを敷くとハンドル周りを傷めずに済みますよ。

【 後輪を外す 】

後輪を外します。

【 サーボブレーキを取り付ける 】

このサーボブレーキも内装3段変速機からそのまま移植したものです。

【 問題発生 】

ここで予期せぬ問題が発生しました。

チェーンケース後輪スペースの大きさよりも後輪の車軸の方が大きいんです。

上の写真の黄色い丸印が後輪の車軸の大きさです。

左右は何とか入りましたが、上下がそれぞれ1~2mm当たっているんです。

車軸の太さは5.12mmです。

一方、チェーンケース後輪スペースの大きさは4.93mmです。

「どうしたもんじゃろの~!」

とても悩みました。

このスペースの事を計算に入れていませんでした。

新しい自転車ならば、変速機化を予想して初めからこの穴は大きく開いています。

しかし娘の自転車の頃は後付けで変速機をつけるなんて考えがありませんから、このスペースは変速機のない車軸の大きさに合わせて小さく作ってあるんです。

一時は諦めようかとも思いましたが、「チェーンケースを削ろう!」と決めました。

幸い家にダイソーで購入した金属加工用のヤスリがあったので、これで削って穴を大きくすることにしました。

上下それぞれ2mmほど削れば入るのではないかと考えました。

さっそく削り作業です。

【 削り作業 】

左半分の上と下を削りました。

右半分と比べて削られているのが分かりますね。

続いて右半分も削ってから車輪を取り付けて見ました。

そしてら見事に付いたんです。

1mmも余裕はありませんが、干渉しないで取り付けることが出来ました。

もしもこの先、再び干渉するようなことがあっても原因が分かっていますから削るだけだで簡単ですね。

【 後輪の組み立て 】

問題が解決したので他の部品も取り付けます。

この内装3段変速機は自転車の左側に変速機の部品が付くんです。

これも古いタイプですね。

今はほとんどの内装変速機が車体の右側に付きます。

もしもこのこの自転車も車体の右側に変速機の部品が付くものだったら、シフトワイヤーを通す場所に苦労したと思います。

だってチェーンケースにワイヤーを通す穴が開いていませんからね。

この部分は変速機が古いタイプで助かりました。

【 グリップ取り付け 】

古いグリップを取り外して、新しいグリップとグリップシフトを取り付けます。

【 ケーブルを車体に固定する 】

先ほどもお話ししたように古い自転車はシフトワイヤーの通す穴がありません。

そこでタイラップというプラスチックの結束バンドを使ってブレーキのワイヤーに固定して見ました。

全部で4箇所タイラップで固定しました。

一番後ろの固定箇所は自転車のフレームに直接固定しました。

これで完成です。

ママチャリ自転車に内装3段変速機を移植する時に使用した工具はこれ!

使用した工具は普通の自転車修理工具です。

・輪業レンチ15mm

・スパナ8mm、9mm、10mm

・プラスドライバー

・六角レンチセット

・ダイヤモンドヤスリ

・タイラップ(結束バンド)

・ノギス(車軸の大きさを正確に測るスケールのこと)

・潤滑剤

まとめ

以上の変速機移植作業を通じて無変速のママチャリ自転車に他の変速機付きの機構を移植する時の注意点をまとめます。

①後輪のサイズが合わない時はスポークを組みなおす。

②チェーンケースの後輪スペースの大きさが小さい時はヤスリで削って広げる。

③シフトワイヤーを通す穴がなければ結束バンドで固定する。

④チェーンケースにワイヤーケーブルを通すスペースがあるかを確認する。



移植する自転車と移植される自転車がどちらも新しいタイプなら問題となるのは①だけです。

②③④の問題は起こりませんよ。

あなたの参考になれば幸いです。

その他、自転車に関する記事はこちらにまとめています。

自転車タイヤの修理を自分で!ブレーキのやり方とその他まとめ。

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