ママチャリ自転車の後輪ブレーキをかけたときに「ギーッ!」とものスゴい音のすることってありませんか?
本日はローラーブレーキに変な音がするときの解消法についてお話ししますね。
あなたの参考になれば幸いです。
自転車ブレーキの音鳴りは後輪の種類によって実に様々!
ママチャリ自転車の後輪には次の三つのブレーキが使われています。
・ローラーブレーキ
・バンドブレーキ
・サーボブレーキ
【 ローラーブレーキ 】
これがローラーブレーキです。
ローラーブレーキとは、自転車部品で有名なシマノが開発したブレーキです。
正式の商品名はINTER M(インター エム)と言います。
それまでのブレーキはバンドブレーキと言うブレーキが一般的でした。
バンドブレーキは強い制動力(回転を止める力)を持つブレーキではありますが、キーキーと不快な音の鳴りやすいのが欠点でした。
もう一つ、バンドブレーキの場合ブレーキがガチッと効いて(つまり、効き過ぎて)しまうという欠点がありました。
この二つの欠点を見事に解決したのがこのローラーブレーキなんです。
なのでローラーブレーキの特徴はキーキー音がしないことと、ブレーキの効き目がじわっと来ることなんですよ。
それまでバンドブレーキを長く使ってきた方には「ブレーキが効かない!」と感じてしまうかも知れませんよ!
そしてもう一つの特徴がメンテナンスフリーだと言うことです。
つまり、ほとんど修理の必要なく長期間使用できるブレーキなんです。
例えば前輪のブレーキはブレーキシューと呼ばれるゴム片でリム(前輪の金具の部分)を押し付けて回転を止めますが、このゴムは摩擦ですり減っていくので、定期的にゴムを交換しなければならないんです。
それに対して、このローラーブレーキはそのような定期的に交換するものがありませんので、ほとんど何もしなくていいんです。
唯一あるとすれば、専用グリスを注入することくらいです。
専用グリスの注入といっても5年に1回とか10年に1回ですから、「1度も注油したことがない!」、さらには「注油することを知らない!」って人の方が多いんです。
だからメンテナンスフリーなんですね。
本日説明するのは、このローラーブレーキから音がするときの対処法です。
【 バンドブレーキ 】
ローラーブレーキが出る前は、バンドブレーキと言うものでした。
バンドブレーキはこちらです。
色違いもあります。
特徴は黄色い矢印で示したネジです。
上記の写真は2枚ともほぼ同じ位置に角のようなネジが出ています。
これがバンドブレーキの特徴です。
しかし、ネジが取れているものもあるので、気を付けてくださいね。
今でも安い自転車にはこのブレーキが多いです。
新品の内はそうでもありませんが、少し古くなると音鳴きと言って、キーキー音がするんです。
「ギーッ!」とカン高い音がするので、周囲の人がビックリして振り向きます。
しかしバンドブレーキは音がしたままのり続けても、それ程支障はありません。
音がうるさいだけで、ブレーキの効き具合は変わらないからです。
この音を利用して細道でベルを鳴らさずに歩行者に自分の存在を知らせることも出来ます。
でもあまりにも音がうるさいと、なんとかしたいと思いますよね。
このバンドブレーキのキーキー音の解消法については、こちらの記事が参考になります。
→ ママチャリ後輪ブレーキ音がキーキーうるさい時の対処法はこれ!
【 サーボブレーキ 】
バンドブレーキの進化形でサーボブレーキと言うものがあります。
特徴は緑色の大きな目玉です。
他にも「SERVO BREAK」と文字がデカデカと書いてあります。
サーボブレーキはメーカーによって色々なタイプがありますが、全て○○サーボと名前が書いてあります。
こちらは、唐沢製作所のサーボブレーキです。
唐沢製作所が一番最初にバンドブレーキの音鳴りの欠点を解消するべく開発した商品です。
バンドブレーキがドラムと呼ばれるリングを内側に締め付けてブレーキをかけるのに対して、サーボブレーキは内側から外に押し出す力で回転するドラムにブレーキをかけます。
他にもナショナル(現パナソニック)やブリジストンも独自に開発したサーボブレーキを販売しています。
こちらは、ナショナルのサーボブレーキで、パナサーボと言う商品名です。
こちらの特徴は目玉はなくて、代わりに鉄腕アトムの頭ような突起があります。
黄色い丸印のところです。
このバンドブレーキはバンドブレーキの音鳴りを解消したものですから、ほとんど音が鳴りません。
鳴っても少しだけです。
自転車ブレーキの音鳴りの修理方法はこれ!
と言うことで、本日は自転車ブレーキの音鳴りのうち後輪のローラーブレーキの解消法について説明します。
結論を先に言いますよ!
ローラーブレーキのキーキー音の原因は油切れ!
これについて詳しく説明します。
先程の説明で「ローラーブレーキはバンドブレーキのキーキーという不快な音を解決した」と書きましたが、ではローラーブレーキから「キーッ!」とか「ギギギッ!」とか音がするのはなぜでしょうか?
それが油切れなんです!
正確にはローラーグリスと言うグリス(硬い油)が切れてしまうと金属同士がこすれて、音がするんです。
「でも、そもそもブレーキには油差しちゃいけないんじゃないの?」
おおっ! いい質問ですね~!
あなたは、自転車の基本のキをよ~く理解しておられますね~!
そうなんです! 基本的に「ブレーキに注油してはいけない!」というのは正しい!
あなたの認識は間違えていませんよ!
ただし、このローラーブレーキは例外なんです。
なぜならば、ローラーブレーキはもともとグリス(潤滑油)を入れて回転を止めるように設計されているからなんです。
本来ブレーキは油を塗らないで使うように設計されていました。
しかし、このシマノのローラーブレーキは今までの常識をくつがえす油を使ったブレーキなんです。
しかも、グリスを追加するのは10年に1度ですから、経験したことのない人の方が多いんですね。
そしてこの油切れは早急に専用のローラーグリスを注入しなければならないんです。
ホームセンターに行けば、グリス(またはグリース)がたくさん売っています。
種類も豊富で、シャーシーグリスとかリチウムグリス、ウレアグリス、モリブデングリスといった名前のものがあります。
「じゃあ、ホームセンターで購入したものでいいの?」
ごめんなさい!この件については、はっきりとしたことが言えないんです。
おそらく、高温にも耐えられるウレアグリスなら大丈夫だとは思いますが、まだ自分自身での検証実験が終わっていないので、断言出来ません。
自転車屋さんに持っていくまでの応急処置なら問題はありませんが、代用品のグリスを入れて長い坂道を下っても大丈夫かとなると、ちょっと不安です。
私も家の自転車には今のところはシマノ純正のローラーグリスを入れています。
自転車屋さんに持ち込んでも300円~500円くらいで、注油してもらえますよ。
大きな自転車屋さんやネットで購入すると100グラム入りで1,500円くらいです。
これは私が購入して使っている100グラムのローラーグリスです。
小分けにした10グラム入りもありますが、1,000円近くするので悩むところです。
まあほとんどの方が10年に1度あるかないかなので、自転車屋さんにお願いするのが現実的ですね。
家の自転車が5~6台あるなら、思いきって100グラム入りを購入し、全ての自転車に注油しちゃいましょう!
自転車のブレーキ音を解消するために後輪にグリスをさす方法はこれ!
グリスの入れ方は次の三つの手順で行います。
1、ゴムキャップを外す
2、グリスを入れる
3、タイヤを回す
【 1、ゴムキャップを外す 】
ゴムキャップを外します。
細いマイナスドライバーを差し込んでテコの原理で持ち上げます。
ゴム片が飛んで行かない様に気をつけてくださいね。
【 2、グリスを入れる 】
グリスはチューブを奥まで差し込んで適量入れます。
適量とは10グラムくらいです。
私の持っているグリスが100グラムのチューブなのでこの10分の1の量を入れるんですね。
結構大量に入れるもんなんですね。
グリスがブレーキのすき間からあふれてきたらボロ布で拭き取ってください。
【 3、タイヤを回す 】
グリスを入れながらタイヤを回してグリスをブレーキになじませます。
タイヤが回ればいいんですが、ペダルを回してタイヤを回転させても大丈夫。
最後にゴムキャップを取り付けて完了です。
もしもゴムキャップがなくなったり、潰れてしまったら、ビニールテープを貼り付けてください。
要はこのグリス注入口からホコリが入らなければいいんです。
対処法は以上です。
ねっ! 簡単でしょ!
まとめ
本日はママチャリ自転車のブレーキの音鳴りの解消法についてお話ししてきました。
バンドブレーキは音がしててブレーキの効き目に違いはありません。
うるさいだけで特に問題はありません。
しかし、ローラーブレーキに音がしてきたらすぐに自転車屋さんでグリスを入れてもらわなければならないんでしたね。
シマノが開発したこのローラーブレーキはメンテナンスがほとんど要らないので、機械のことについてあまり詳しくない人でも長くのり続けることが出来るんですね。
その開発者の発想がすごいなあと思います。
今では安い自転車にもローラーブレーキが増えてきました。
ローラーブレーキを装着しているだけでブランド力が上がるからです。
同じ値段の自転車ならローラーブレーキを選ぶ人が多いんですよ。
逆に昔ながらのバンドブレーキの方が少ない状況です。
先日近くのスーパーの駐輪場でローラーブレーキの自転車の比率を調べてみたら、なんと8割の自転車がローラーブレーキでした。
もちろん、子供用自転車やロードバイクなども全て含めての様子ですけどね。
あと10年くらいでバンドブレーキは姿を消す運命にあるのかもしれませんね。
その他、自転車に関する記事はこちらにまとめています。
自転車タイヤの修理を自分で!ブレーキのやり方とその他まとめ。