もうすぐ母の日ですね!
今年は何を贈るか決めていらっしゃいますか?
やはり定番はカーネーションですね!
ところでカーネーションの花言葉で黄色はだめだと聞いた事ありませんか?
でもそんなことはありませんよ。
なぜなら黄色のカーネーションには素敵な花言葉もたくさんあるからです。
黄色のカーネーションがダメだと言われている理由を知れば「な~んだ!そんなことかぁ!」と感じますよ。
そして黄色の素敵なカーネーションを贈りたくなります。
本日は黄色のカーネーションに込められた花言葉について詳しくお話ししますね。
あなたの参考になると幸いです。
母の日のカーネーションの花言葉で黄色がダメなのはなぜ?
母の日に贈るカーネーションと言えば赤色ですね。
赤いカーネーションの花言葉はこれです。
【 赤いカーネーションの花言葉 】
・母の愛
・真実の愛
・母への愛情
とても愛情に満ちた花言葉ですね。
【 黄色のカーネーションの花言葉 】
一方一般的に言われている黄色のカーネーションの花言葉はこれです。
・軽蔑(けいべつ)
・嫉妬(しっと)
そのため「黄色のカーネーションを母の日のプレゼントに贈ってはならない!」と言う方がいらっしゃいます。
でも黄色いカーネーションはとても可愛いんです!
なぜキレイな花なのにこんな悪いイメージがあるのでしょうか?
それには西洋世界における歴史的な背景があるからなんです。
チューリップの花言葉もそうですが、ヨーロッパでは黄色全般に対するイメージがよくないんです。
【 ヨーロッパで黄色が嫌われる理由はこれ! 】
ヨーロッパではその長い歴史の中で黄色は「屈辱の色」とされてきました。
中世ヨーロッパでは黄色が乞食や売春婦、道化師の衣服の色でした。
そのため高貴な身分の人たちは黄色の衣服を身につけることはありませんでした。
ヨーロッパでここまで黄色の衣服が嫌われるのはイエス・キリストを裏切った弟子のユダの服の色だからです。
ユダはもともとイエス・キリストの最も信頼していた弟子の一人でした。
ところが銀貨30枚のためにイエス・キリストを祭司長たちに引き渡してしまいます。
このためキリスト教の世界ではユダは裏切り者とされています。
そのユダの着ていた服の色が黄色だったという訳です。
そのような歴史的背景の影響で西洋社会では黄色を忌み嫌う風潮があります。
犯罪者の家は黄色く塗られ、火あぶりの刑を受ける者は直前に黄色い服を着せられました。
また妻に不倫された夫を映画やラマで描く時は黄色い衣装を着せました。
狂気、嫉妬、不名誉の色としての黄色は、20世紀半ばまで続きました。
ただしこれはキリスト教の思想です。
同じヨーロッパでも北欧では黄色は悪いイメージはありません。
北欧は夏の時間が短いので太陽はとても貴重な存在でした。
北欧の冬はほとんど太陽の現れない暗闇の極寒世界です。
そのような状況では太陽が憧れの存在になります。
その太陽を象徴するのが黄色です。
【 アジアでも黄色は高貴な色! 】
アジアでも黄色は高貴な身分の者だけが身に付けることの出来る特別な色だったんです。
アジアで黄色は「地位」や「太陽」を表す特別な色です。
黄色は五行説の中央に位置し、天下統一のシンボルです。
中国皇帝の衣服の色が黄色なのはこのためです。
中国の国旗には赤地に黄色の星マークが付いています。
韓国でも黄色の服を着ることが出来たのは皇帝だけです。
黄色の衣服は高貴な身分の人だけが身に付けることの出来る特別な色だったんです。
中国大陸を悠々と流れる大河を黄河と言いますね。
これも河を神聖なものとして見ている証拠です。
仏教や儒教世界でも黄色は最も高貴な色とされています。
タイの僧侶の衣服の色は黄色ですね。
黄色の花には良い意味もたくさん!
黄色といっても色合いによって実に様々な色があります。
黄色には悪い意味だけでなく良い意味もたくさんあるんですよ。
その一部を紹介します。
【 カーネーション 黄色 イオ 】
このお花は薄い黄色のカーネーションの縁に赤い色のある花です。
【 カーネーション レオンサーモン 】
このお花は薄いレモン色のカーネーションです。
これらの黄色系統のカーネーションの花言葉は次の通りです。
・純粋な愛情
・あなたを熱愛します
・清らかな慕情
・情熱
・熱烈な愛情
・熱心
・感動
・集団美
どうです!同じ黄色系統のカーネーションにも関わらず、こちらにネガティブな花言葉は見当たりませんね。
【 ひまわり 】
ひまわりはご存知黄色い花の代表格です。
ひまわりの花言葉はこれです。
・あなただけを見つめる
・愛慕
ひまわりはヨーロッパでも贈り物向きの花なんですよ。
【 ミモザ 】
イタリアには「ミモザの日」があります。
毎年3月8日、イタリアでは男性から女性に対して黄色いお花のミモザを贈る習慣があります。
これはいつも家事や育児に忙しい妻に感謝の気持ちを示す大切な日なんです。
小さな男の子もお母さんに黄色い花を贈るんですよ。
3月8日は世界女性デーで、1975年には国連でも認証された記念日となりました。
残念ながら日本では浸透していませんねぇ・・・
イタリアでは恋人以外にも、母親や職場の同僚たちにも贈ります。
街中のお花屋さんにはどこも男性たちが多数押し掛けます。
そして花束を両手に抱えた男性が嬉しそうに家路に向かう光景が見られます。
とても素敵な日なんですね。
【 色の心理的効果 】
カラーセラピーの領域でも黄色は大活躍しています。
黄色の持つイメージは「カジュアル」「軽快」「明るい」です。
そしてその心理的効果は見る人を楽しい気分にさせる効果があります。
そのため気分の優れない時に黄色のものを身に着けると気分が晴れます。
また遊び盛りの子供部屋やダイニングに使用すると良い色なんです。
このように見てくるとどうでしょう、黄色のカーネーションを贈りたくなってきませんか?
そもそも花言葉とは何?
一方では「黄色のカーネーションは贈らないほうが良い!」と言い、他方では「黄色は素晴らしい色です!」と言います。
一体どちらの言葉を信じたら良いのでしょうか?
それは花言葉について知ると見えてきます。
【 花言葉とは 】
そもそも花言葉とはいつから言われていることなんでしょうか?
花言葉(はなことば)とは、象徴的な意味を持たせるために植物に与えられた言葉のことです。
一般的に「バラの花言葉は愛情」のように植物と単語の組み合わせで示されます。
日本では、主に西欧起源のものを核として様々なバリエーションがあります。
植物に象徴的な意味を担わせる伝統は世界の多くの文化が持っていますが、現在行われているような花言葉の慣行は19世紀にヨーロッパで盛んになりました。
フランスの貴族社会では19世紀初頭には草花を擬人化することが流行しました。
そして草花と特定の意味の組み合わせた例を示した手書きの詩作ノートが貴族サークル内で回覧されていました。
そうした組み合わせ例を参考にして恋人の美しさを賞賛したり、反対に不実や裏切りを非難したりしました。
このように花言葉は恋愛の駆け引きのために参照されるようになりました。
そのような花言葉を最初に辞典『花言葉』としてまとめたのがシャルロット・ド・ラトゥールです。
その命名やり方は大きく二つでした。
第一に、その植物の外形や香り・色・生態といった植物の性質・特徴を言葉で表現しようとする観察重視の姿勢です。
たとえばブラックベリーについて、自らの観察をもとに「人目を避けるように生え、ひとたび口に含むと苦さだけが残る」とします。
そしてその観察を土台にしてブラックベリーの花言葉を「嫉妬」と名付けるような手法です。
もう一つは、西欧社会で草花が積み重ねてきた文化史的伝統を、一つの単語に凝縮して形容しようとする文化史重視の姿勢です。
例えば古代ギリシアにおいて勝利者に与えた月桂樹の冠から「栄光」の花言葉をあてるものです。
また聖書を根拠として「オリーヴの花言葉は平和」などとするものです。
ヨーロッパでは花の中でも特にバラが重要視されています。
バラは「花の中の花」と称されるほど西欧文化において重視されてきた花の一つです。
このため伝承や神話の中に頻繁に登場します。
西欧の伝統において赤いバラは勝ち誇る美と愛欲を象徴しますが、現世のうつろいやすさを象徴することもあります。
また病気のお見舞いに白いバラを持参することはタブーとされています。
ヨーロッパでは色の違いのほか「バラの花束」「一輪のみのバラ」に対してもそれぞれ花言葉を与えており、バラが人々の生活に深く浸透していることが分ります。
社会の各層に庭園文化が浸透していたヴィクトリア朝のイギリスでもさまざまな花言葉辞典が出版されました。
その中でも著名な絵本画家ケイト・グリーナウェイが著した挿絵入りの辞典は大きな評判を呼びます。
欧米ではラトゥールやグリーナウェイの考えた花言葉を基本としながらも、各国でその国独自の新しい花言葉の考案が続けられています。
【 日本での花言葉の普及 】
日本で花言葉が使われるようになってきたのは明治以降です。
初めは輸入された花言葉をそのまま使っていましたが、その後日本でも独自の花言葉が提案されるようになっていきます。
また園芸産業の発展と共に花言葉は販売促進のために広く使われるようになりました。
日本独自の新品種が開発された時にも開発者自身が花言葉を命名したり、企業が新しい花言葉を消費者から募集したりするなどの動きも出てきています。
このように花言葉は西洋の伝統を基本としながらも各国の文化を吸収しどんどん変化していっているものなのです。
ですから文化的背景の異なる私たち日本人が「黄色いカーネーション=軽蔑・嫉妬」と言う花言葉に縛(しば)られる必要はないのです。
私たちの住む東洋では黄色は最も伝統ある高貴な色「 King of collor 」なのですから。
【 黄色の復権 】
黄色を嫌っていた当の西洋キリスト教社会でも時代の変遷と共に黄色が見直されています。
18世紀にはシノワズリーと言って中国の文化の影響で黄色が流行しました。
もちろん高貴な色としてです。
またナポレオンの時代にも、その明るく華やかな色彩と豊かな色調が受け入れられました。
さらにゲーテの『若きウェルテルの悩み』に登場する人物は青い燕尾服(えんびふく)の下に黄色いベストを着て大流行させましました。
最近では本来の黄色が持つ「明るい」や「人目を惹く」という心理的・実用的特性が見直され、安全を促す交通標識やサインに積極的に使われています。
また商品のパッケージなどのデザインにも多用されるようになりました。
黄色は美しくとても明るい色です。
黄色が本当に不吉な色なら街中の交通標識に使うはずがありませんね。
だって交通事故が多発しちゃいますから。
まとめ
本日は黄色いカーネーションの花言葉につていお話してきました。
「東洋では黄色は高貴な色」なんですね。
これだけ知っていれば、もう黄色いカーネーションを怖がる必要はありません。
しかも本家本元のヨーロッパキリスト教社会でも今は黄色が街中にあふれています。
「黄色いカーネーションは不吉なんですよ!」
なんていっている人がいたら「あなた、いつの時代の人ですか?」とツッコミを入れてくださいね。
そして「黄色は太陽の色!最も気品のある色なんですよ!」と教えてあげてくださいね。
あなたの参考になれば幸いです。