春になりましたね。

春は別れの季節ですが、同時に出会いの季節でもあります。

あなたの会社にも新しい社員さんが来られましたか?

本日は接客業の言葉遣いで間違いやすい「お求めやすい」という言葉についておはなししますね。

あなたの参考になれば幸いです。

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接客業の言葉遣いで間違いやすいのはこれ!「お求めやすい!」

先日ショッピングモールへ行くと売り子さんたちが大声を張り上げています。

ちょうどバーゲンセール期間中だったんてすね。

「大変お求めやすい価格となっておりま~す!」と連呼しています。

「ここのお店の売り子さんも!あっ、あっちのお店もだ~!」

この「お求めやすい・・・」という言い方が間違いとも知らすに一生懸命に販売しています。

間違いでもたくさん聞いていくうちにだんだん普通に思えてくるのは不思議ですね。

しかし、「お求めやすい・・・」という表現を使っていないお店もありますよ。

おそらく意識して避けているのではないでしょうか!

本社からの指示なのかも知れませんね。

あなたは「お求めやすい・・・」が間違った表現だとご存知ですか?

では詳しく説明しますね。

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接客業の言葉遣い「お求めやすい」はここがおかしい!

「大変お求めやすい価格で~す!」

「お求めやすいお値段になっておりま~す!」

「いっそうお求めやすくなりました~!」

売り子さんたちが声を張り上げてアピールしています。

この言葉のどこがおかしいのてしょうか?

「お求めやすい」は動詞の「求める」の語幹「求め」に「お」が付いています。

動詞の頭に「お」を付けると名詞になります。

なぜならば活用が出来なくなるからです。

「求める」を活用させると次のようになります。

求めない → 求めます → 求める → 求める時 → 求めれば → 求めよ

ところがこれに「お」を付けると活用出来ません。

お求めない → お求めます → お求める → お求める時 → お求めれば → お求めよ

こんな風に活用する人はいませんね。

つまり「お求め」で名詞になるんです。

一方「やすく」はどんな働きを持っている言葉でしょうか?

「やすい」という語は動詞の連用形に付いて、動詞を形容詞につくり変える働きがあります。

終止形 → 連用形    → 形容詞

求める → 求め・ます  → 求めやすい

入る  → 入り・ます  → 入りやすい

支払う → 支払い・ます → 支払いやすい

このように変化して「求める」「入る」「支払う」はそれぞれ「求めやすい」「入りやすい」「支払いやすい」のような語になります。

「求め」や「入り」は動詞(連用形)ですが、「求めやすい」「入りやすい」は形容詞なのです。

先程動詞に「お」を付けたら名詞になるとお話ししました。

つまり「お求めやすい」は動詞の連用形に付くべき「やすい」を名詞に付けてしまったのが間違いなんです。

「お」+動詞+「やすい」の型は文法上あり得ない組合わせと言うことになります。

他の言葉でも検証してみましょう。

「食べる」の語幹は「食べ」です。

これに「お」を付けると「お食べ」です。

一方「食べる」の連用形は「食べ」です。

これに「やすい」を付けて形容詞にすると「食べやすい」となります。

しかしこのままでは敬語ではありません。

これに「お」を付けることによって敬語表現にしたいと考えて「お食べやすい」としてしまうんです。

「お食べやすい」

こんな日本語使う人はいませんね。

・お歌いやすい

・お眠りやすい

・お読みやすい

・お入りやすい

これらが間違った日本語であると、誰もが思うのではないでしょうか!

でも「お求めやすい」になると、急に違和感を感じる人がすくなくなるんです。

なぜだと思いますか?

多くのみなさんが「間違えたまま」使っているからです。

これらは全て「お」+動詞+「やすい」の型です。

「お求めやすくなりました」のように副詞のようにしても大差ありません。

接客業の言葉遣い「お求めやすい!」の代わりに何と言えば良いの?

では一体どう言えば良いのでしょうか?

正しくは「やすい」の代わりに「になりやすい」とするのが良いです。

・お求めやすい → お求めになりやすい

・お歌いやすい → お歌いになりやすい

・お眠りやすい → お眠りになりやすい

・お読みやすい → お読みになりやすい

・お入りやすい → お入りになりやすい

こうすれば、文法上も大丈夫です。

しかし「お求めになりやすいお値段」という表現は少々長すぎると感じられます。

文法上はこの言い方で正しいのですが、実際の会話の中では長ったらしくて使いにくいですね。

そのような場合は、次のような言い方にするのが良いです。

・お徳用

・お値打ち価格

・ご奉仕価格

・おすすめ価格

・納得価格

・割引価格

・お安い価格

無理に「お求めやすい」という敬語もどきの表現を使わなくても、このようにいろいろな表し方があるんです。

ちなみに、これらの「お」や「ご」は過剰な「お・ご」ではありません。

これらは「所属の尊称」といって「あなたの」「あなたへの」と言った意味を表す接頭語です。

ビジネスや接客で使う敬語法のひとつなんですよ。

まとめ

本日は接客の場面で間違えやすい表現の中から「お求めやすい」という言葉について学びました。

これは文法上あり得ない組合わせでしたね。

新入社員に指導するときは「お食べやすい」と同じ誤りだから使ってはならないと説明するのが分かりやすいです。

そして、「お値打ち価格」「納得価格」と言い換えるのが良いと伝えてくださいね。

あなたの参考になれば幸いです。

最後まで読んで下さりありがとうございます。

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