新しい年度が始まりますね。

心機一転新たな気持ちで頑張って参りましょう!

ところであなたの会社には新入社員が入りましたか?

新入社員が一番最初に学ぶのが敬語です。

本日は敬語の中でも特に間違えやすい言葉「お気をつけて!」について学びますね。

あなたの参考になれば幸いです。

スポンサーリンク
  

新入社員は敬語が出来ないって本当なの?

ウチの支店にも実に3年ぶりに新卒の新入社員が入りました!

大切に育てていきたいと思います。

さて新入社員が最初に学ぶのが言葉遣いですね。

特に敬語の使い方を学びます。

ところが敬語の使い方は若手のみならずベテランの社員にもぜひとも学んで欲しいものなんです。

なぜならば、敬語は意識して学ばない限り身に付かないからです。

「新入社員は言葉遣いが出来ていない!」とよく言われます。

本当にそうでしょうか?

これは実はそうでもないんです。

実は年配の社員にも敬語の使えないメンバーが多数いるんですよ。

ただ年配者の場合は取引先の担当者もお客様も年下の場合が多いので、相手がクレームを言いにくいという事情があり、表面化しにくいだけなんです。

これは私が以前新入社員の教育を担当している時にそのことを実感しました。

みんな新入社員の時に敬語の研修を受けてはいますが、残念ながら身に付いている社員は一握りです。

本当に身に付いている社員は自分で努力して学び続けている人たちです。

本日は敬語の中でも特に間違えやすい言葉遣い「お気をつけて!」についてお話ししたいと思います。

スポンサーリンク

新入社員の敬語で誤った使い方はこれ!「お気をつけて!」

お客様がお帰りになる時に「お気をつけて!」と言ってお見送りする社員がいます。

この言葉遣いは正しいのでしょうか?

実はこれ、間違いなんです!

もともと「さようなら」と言っていた場面で「お気をつけて」と言うことが増えています。

単に別れのあいさつをするよりも、より丁寧な印象を与えるからではないでしょうか。

ウチの支店の清掃のパートさんからも次のようなことを教えてもらいました。

清掃さんは50歳の女性です。

いつものように仕事が終わって帰り際に若い女性社員から「お気をつけて」と言われたそうです。

そのとき「美しい言葉だなあ~!」としみじみ感じたと言うのです。

私はその清掃さんが「美しい言葉」と思う気持ちには反対しません。

若い女性社員の温かな思いやりの心が伝わって来るからです。

実際にその若い女性社員は気働きの出来るとても良い子です。

しかし残念ながらこの言葉遣いそのものは誤りなんです。

【 「お気をつけて!」はどこが誤り? 】

では「お気をつけて!」のどこが誤りなのでしょうか。

「気をつけ」は動詞「気をつける」の連用形です。

その頭に「お」が付けば名詞の扱いになります。

接辞名詞と呼ばれるものです。

「て」とはどんな語でしょうか。

「て」は動詞の連用形を次の語につづけるための助詞です。

そこで今一度「お気をつけて」の形を見てください。

「お気をつけ」という接辞名詞を動詞扱いしていることに気づきませんか。

「て」は動詞を次につなぐ助詞だからです。

「どうぞお気をつけてくださいませ」と言う人もいます。

これも同様の誤りです。

これらは「気をつけて」の頭に「お」を付けたために起こる誤りです。

他の言葉でチェックしてみましょう。

「食べる」の連用形は「食べて」ですね。

これに「お」を付けると「お食べて!」

みなさん「お食べて!」なんて言い方する人がいるでしょうか?

集まる → 集まって →お集まって!

待つ  → 待って  →お待って!

読む  → 読んで  →お読んで!

こんな言い方誰もしませんよね。

「お気をつけて」もこれらと全く同じ間違いをしているんです。

【 「お気をつけて!」はどうして生まれた? 】

「お気をつけて」というあいさつ語はどこから生まれてきたのでしょうか。

もともとは「気をつけてお帰りください」という文章でした。

そこから後半を省略した形として「気をつけて!」が生まれました。

その「気をつけて!」に安易な感覚で「お」を付けてしまったのです。

「お」を付けるだけで丁寧な敬語表現のようになるからです。

省略形が悪いというのではありません。

頭に「お」を付けるのが悪いというわけでもありません。

省略の仕方が間違えているんです。

親しい友人に「気をつけて」と言いますよね。

もう少し親しみをこめると「気をつけてね」と言います。

ごく普通の立派な日本語です。

ですが、これは敬語ではありません。

「ここで敬語が必要だ!」と感じた時に頭に「お」を付けるという方法を取ってしまうんです。

「お忘れですよ」「お疲れでございました」などのように、頭に付けた「お」が敬語として生きている言葉もあります。

だったら「気をつけて」の頭にも「お」を付けてしまえ!

と考えて出来た言葉が「お気をつけて!」なんです。

【 ではとんな言い方が正しいのか? 】

ではどんな風に言えば良いのでしょうか?

「お+気をつけ+て」ではなく「お+気をつけ+になって」とすれば、正しい表現になります。

「気をつけ」の後に「て」ではなくて「になり」を使うのです。

こうすれば省略形ではありますが正しい言い方になります。

「どうぞ、お気をつけになって!」

とても品のある言葉です。

「になって」を後ろに付ければ、「お気を付け」の「お」が立派に生きてくるのです。

省略形はいやだと言う場合は次のように言うことも出来ます!

・お気をつけになってください

・お気をつけになってお帰りください

・お気をつけください

これらは全て正しい表現です。

【 間違った表現はこれ! 】

似た表現ですが以下は不自然な言い方になりますので、気をつけてくださいね。

・お気をつけてください

・熱くなっておりますので、お気をつけてお持ちください

・お申し込んでください

・お誘いあわせてお越しください

これらは全て同類の間違いです。

まとめ

本日は新入社員の敬語で間違いやすい「お気をつけて!」についてお話ししました。

この間違い結構多いんですよ。

お店の店員さんのみならず、オフィスの受付嬢や言葉の専門家であるアナウンサーにも多い間違いです。

これからは「気をつけてお帰りになってください!」と言いましょう。

私の部下でお客様から「あなたの言葉キレイね!」とほめられた社員がいます。

あなたの参考になれば幸いです!

最後まで読んで下さりありがとうございます。

スポンサーリンク