新年度を迎えましたね。

ウチの支店には久しぶりに新入社員が配属されました。

あなたのところにも新人さんが来られましたか?

ところで新入社員に最初に教えることとは何でしょうか?

そう、言葉遣いですね。

あなたは言葉遣いに自信がありますか?

本日は間違えやすい敬語の言葉遣いについてお話ししますよ。

あなたの参考になれば幸いです。

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社会人の言葉遣いを学ぶとこんな良いことが!

ビジネスをスムーズに進めるために欠かせないのが敬語です。

なぜならば敬語を正しく使うことが出来ると相手に対して安心感を与えることが出来るからです。

特に秀でた能力があるわけではないのに、何故か契約をたくさん取ってくる営業マンがいます。

むしろ話術においては他の人よりも劣っているくらいです。

事務職でもなぜか周囲の人に好かれる人がいます。

サービス残業などしないのにです。

そんな人に共通するのが言葉遣いの良さです。

しかし言葉遣いは勉強したからと言ってすぐに効果の現れるものではありません。

なのであまり重要視されないのが現状です。

新入社員の研修で学ぶくらいです。

ところが言葉遣いを学ぶことはビジネスにおいて使えるだけでなく、対人関係における距離の取り方を調整することが出来るようになるんです。

なので継続して学んでくたさいね。

【 言葉遣いを学んで人生を悟る! 】

敬語は一朝一夕には身に付かないので、コツコツと地道な努力をするしかありません。

ところがその効果は結構あちこちに見えて来ますよ。

まず、街中の掲示物に意外と間違った表現のあることに気付きます。

またテレビの出演者の発する言葉に間違いを発見出来るようになります。

さらにはアナウンサーの言葉にも間違いのあることに気付きます。

するとどうなるか?

「な~んだ!みんな結構いい加減な言葉遣いじゃないか~!」と感じることが出来たらしめたもの!

私はその時に悟りました。

「な~んだ!みんなの言葉遣いって完璧じゃないんだ~!」

それで肩の荷が降りたというか、とても気が楽になりました。

それまでは「ミスがあってはならない!」「失敗してはならない!」ととても緊張して仕事していました。

家庭でも「子育てを失敗したらどうしよう!」といつもビクビクしていました。

ところが言葉遣いを勉強して他の人が結構いい加減な言葉を使っているのが分かると、本で読んだ次の言葉が納得出来るようになりました。

「完璧でない人間が完璧を目指す!
これほど矛盾したことはない!」

腑に落ちるとはこの事です。

決して「いい加減で構わない!」と言う意味ではありません。

私は完璧を目指して仕事しています。

家庭でも良き夫になりたいと努力しています。

でも一方で「出来なくっても大丈夫!」という割り切った心が芽生えて来たんです。

「だって言葉遣いさえ満足に出来ていない人が多いのだから、全ての事を完璧に出来なくても全然問題ない!」と思えるようになったんです。

「それよりも完璧を目指して努力し続けることが大切なのだ!」と分かりました。

そんな風になれたのも、地道に敬語を勉強して来たからです。

そのキッカケになったある言葉を紹介しますね。

社会人の言葉遣いで「とんでもございません」は間違い!

「とんでもございません!」

この言葉が文法的に間違った表現だと言われたら、あなたは納得できますか?

私は最初納得出来ませんでした。

ここで問題です!

《 問題 》

お客様対応をしていてお客様から「本当にありがとうございます!」と丁寧にお礼の言葉を頂いたら何と返答しますか?

次の中から最もふさわしいものを選びなさい!

① とんでもない

② とんでもないです

③ とんでもございません

④ とんでもないことでございます

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《 回答 》

多くの方は③が正解と思われるのではないでしょうか。

実は逆なのです。

③だけが誤りです。

もう少し正確に言うと①と④が正解で、②は半分正解です。

「とんでもございません」は「とんでもない」を丁寧に言い表した表現と思われているのではないでしょうか。

これが誤りです。

「とんでもございません」と言う言葉は「とんでもない」の丁寧語ではないんです。

「ございます(ません)」自体はとても丁寧な言葉です。

例えば「食べたくない」を「食べたくございません」、「行きたくない」を「行きたくございません」とすればとても丁寧な表現になります。

それらは前の言葉を打ち消す意味で使っています。

「食べたい」を打ち消すために「~(く)ない」をつけますが、この「ない」は「食べたい」を打ち消す働きがあります。

このように「ございません」の正しい用法は前の言葉の否定語として働くときだけなんです。

※ポイントその1

「~ございません!」は打ち消しの意味にしか使えない。

「ある・なし」の「なし」の意味なんです。

【 「とんでもない」は形容詞! 】

一方「とんでもない」の「ない」は打消しでしょうか?

違います!

「とんでもない」の「ない」は、「あぶない」「きたない」「せわしない」などの「ない」と同じ働きの「ない」です。

打消しの語ではありません。

「とんでもない」は形容詞なんです。

「とんでもな」が形容詞の語幹です。

語幹の一部なのですから「な」の前で切ることは出来ません。

活用する時には必ず「とんでもな」までを固定いてその後の語尾を活用させます。

「あぶない」や「きたない」も活用する時には「な」の後ろで切りますよね。

「な」を外して、「あぶございません」「きたございません」などと言う人はいませんね。

「とんでもございません」も同じなんです。

「とんでもございません」という言い方がいかにおかしいか分かりましたか?

【 「とんでもございません」が広まった理由 】

「えーっ、でもみんな使っていますよ!」という声が聞こえてきました。

確かに!

テレビ、ラジオでも盛んに使われておりますね。

なぜ「とんでもございません」がここまで広まってしまったのでしょうか。

「食べたくない」を「食べたくございません」と言えるのなら、「とんでもない」を「とんでもございません」と言っても良いのではないかと考えてしまったのです。

「とんでもない」だけだと丁寧さに欠けると考えて、「ございません」を付けて丁寧な表現にしたかったのです。

【 正しい「とんでもない」の使い方 】

では、どう言えばよいのでしょうか。

「とんでもない」でよいのです。

これがこの問題のもっともシンプルな答えになります。

敬意を表すためには、この後に「こちらこそありがとうございます」などのように、最後を敬語表現で締めくくれば十分なのです。

このように締めくくりを敬語表現として、フレーズ全体を整える表し方を“敬末の原則”といいます。

※ポイントその2

最後を敬語で締めくくる

最近は過剰に「お」や「ご」を付けたり、丁寧すぎる言葉遣いをする風潮があります。

それよりも“敬末の原則”によって、単純明快に敬意を表す方がスマートな表現方法なんですよ。

一部の学者は、唯一正しい敬語法として「とんでもないことでございます」言っています。

この言い方が正しいことは確かです。

しかしこの言葉は長すぎて今日的な会話のテンポについていけません。

国語の試験問題で「正しいのはどれか」と問われたときには、「とんでもないことでございます」を「正解」としておけば間違いありませんが、日常の会話では使いにくいのも確かです。

そう考えると単に「とんでもない」のほうがよほど良い言葉とわかります。

「とんでもございません」が誤用なら「とんでもありません」はどうでしょうか?

この言い方も「とんでもございません」とまったく同じ誤りです。

文化庁では、毎年『国語に関する世論調査』を行っています。

2004年に発表されたものによると「とんでもございません」という言い方が「気にならない」とする人が68パーセントにものぼっています。

一部には「とんでもございません」を“現代の慣用”として認めようと言う学者もいます。

社会人の言葉遣いで「とんでもございません」を使うの?

「とんでもございません」という言い方に対して、2004年の段階ですでに7割近くの人が違和感を感じていません。

この割合はもっと増えるかも知れませんね。

私はこのことを学ぶまでは「とんでもない」の方が丁寧さに欠ける失礼な言い方だと思っていました。

そして部下にもわざわざ「とんでもございません」が正しい言い方なんだと間違って指導していました。

今では言葉の仕組みを知った以上「とんでもございません」はなんだか使いにくいですね。

私はやはり「とんでもない。こちらこそ~」を使いたいです。

その方がなんだかかっこよく思えてきたからです。

そして同じように「とんでもない。こちらこそ~」という言い方の人を発見すると「オオッ!この人も教養あるなあ~!」と感心するようになりました。

老舗旅館の女将さんに多いのはやはり言葉遣いに人一倍気を使っている職業柄でしょうか!

まとめ

本日は間違えやすい言葉遣いについてお話ししました。

「とんでもございません」は誤りで「とんでもない」が正しい言葉でした。

「とんでもない」は形容詞でしたね。

そして普段から言葉遣いに気を使っている人の使うのが「とんでもない」でしたね。

面白いですね~!

あなたの参考になれば幸いです。

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