新入社員の入ってくる季節になりました。

あなたの会社にも新人さんが入って来られましたか?

新入社員が入ってくるといつも話題に上がるのが言葉遣いです。

先輩の立場から優しく指導してあげてくださいね。

ところで敬語には「敬いの敬語」と「身なりを整える敬語」の2種類の言葉があることをご存知ですか?

本日は言葉遣いの基本である「敬語の仕組み」についてお話ししますよ。

あなたの参考になれば幸いです。

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ビジネスマナー言葉遣いの基本!

会社に入ると真っ先に指導されるのが言葉遣い、敬語です。

なぜ言葉遣いが大切か分かりますか?

それは人間関係の距離感を適切に維持することが出来るからなんです。

「敬語を使える」と言うことはただ単に「難しい言葉が使える」と言うことではないんです。

「とにかくお客様や上司を敬え!」と言っているわけではないんです。

敬語にはもっと凄い力があります。

それは人間関係の距離を適切に保つことが出来るんです。

よくある新入社員の研修では「敬語には尊敬語と謙譲語と丁寧語の三つがあって、それぞれ状況によって使い分けましょう!」との説明がなされるだけで、それぞれの意味の違いまでは教えてくれないのが現状です。

また敬語を使えるとどんな良いことがあるのかの説明も不足しているので、「堅苦しい言葉を使うことを強制されている!」だけで終わってしまっています。

でもこれだけではもったいない!

なぜならば敬語の持っている人間関係を調整する力について何も説明がないからなんです。

敬語の持つ人間関係を調整する力とは何でしょうか?

それは自分の実力を他に示すことです。

あなたにどんなに実力があってもそれを他の人に示さないと誰もあなたの実力を買ってくれません。

では人はどうやってあなたの実力を測っているのでしょうか?

ほとんどの人間が人の価値を見るときの判断材料としているのが言葉遣いなんです。

何か凄い発明をしたり、ノーベル賞を取ったりしている人なら、それがその人の実力として評価されますが、普通の人は評価してもらえるほどの実績はありません。

そこで自分の実力を正当に評価してもらえるように身なりを整えたり、会社名や会社での自分の地位を表明したりして、「私は実力がありますよ!」と宣言しているわけです。

でもそれはその人が「自分の実力はこんなにありますよ!」と宣言しているだけであって、本当にその実力があるかどうかはまた別の問題です。

そこで人は無意識にその人の言葉遣いに注目します。

そしてその人の会社や役職に相応しい言葉遣いをしているかどうかで判断しているのです。

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敬いの敬語とは何か?

敬語には3つの種類がありますが、あなたご存知ですか?

「尊敬語と謙譲語と丁寧語ですか?」

そう、その通り、あなた優秀ですね!

ではその三つを二つの種類に分類するとすればどのように分けますか?

三つを二つに分けるのですからどれかとどれかを引っ付ければ良いんですよ。

「う~ん、尊敬語と謙譲語ですか?」

そう、その通り!

あなた、カンが良いですね。

カンで当たることも実力なんですよ。

尊敬語と謙譲語と丁寧語を二つのグループに分けると「尊敬語と謙譲語」を一つにグループにして、「丁寧語」を別のグループにします。

この「尊敬語と謙譲語」のグループを「敬いの敬語」と言います。

これから説明するのはこの「敬いの敬語」グループのお話しです。

人物の敬い方には、2通りあります。

一つは、敬いの対象となる人やその人の動作を高めることによって、対象者への敬いの心を表すものです。

これを「尊敬語」といいます。

二つ目は、敬いの対象となる人を高める代わりに、自分や自分側の人あるいはその動作を低めることによって、対象者への敬いの心を表すものです。

これを「謙譲語」といいます。

このように、尊敬語と謙譲語は、ともに「敬い表現の言葉」、「敬いの心を表す言葉」として理解してください。

図で解説します。

これは敬いの秤(はかり)と呼ばれるものです。

秤の左のお皿には「話し相手」がいます。

そして秤の右のお皿には自分がいます。

私が相手に敬いの心を示したい時に二つの方法があります。

一つには相手を高めて敬いの心を表す方法です。

秤の左のお皿を指で持ち上げるイメージです。

これが「尊敬語」です。

二つ目の方法は、右側の自分のお皿を指で押し下げて敬いの心を表す方法です。

ここで大切なのは視点です。

相手を高めるのは自分ですから、尊敬語の視点は「自分」です。

また自分を低い位置にして敬いの心を表す謙譲語の視点も同じく「自分」です。

この二つはどちらも視点が「自分」にあるんですね。

例を出します。

(例題1)部長は私に「始末書出せ」と言った。

(例題2)私は部長に「給料を上げてほしい」と言った。

これを敬語に翻訳してください。

ポイントは尊敬語と謙譲語のどちらを使うかです。

尊敬語と謙譲語のどちらを使うのが適切か考えてくださいね。

はい、どうぞ!

「部長は私に『始末書出せ』とおっしゃった。」ですか?

はい、その通り!

「始末書を出せ」と言ったのは部長なので、「その人の動作を高めるために」尊敬語を使ったというわけですね。

正解です。よくできました。

二問目はどうなるでしょうか。

「私は部長に『給料を上げてほしい』と申し上げた」だと思います。

いいですねぇ!

「給料を上げてほしい」と言ったのは私ですから、「私の動作を低めることにより、相手を高める『申す』」という謙譲語を使うのが適切ですね。

この調子です!

みなさんがんばって!

身なりを整える敬語とは何か?

敬語にはもう一つありましたね。

そう「丁寧語」です。

丁寧語は「人間関係のおかれている場面に礼をつくす敬語」なんです。

これは一体どういうことでしょうか。

そこに、私の言葉を聞いてくれる(読んでくれる)人物がいるということです。

その人物は、目の前にいる尊敬の対象者かもしれませんし、遠く離れた読み手であるかもしれません。

敬いの言葉を聞いてくれる(読んでくれる)人物に対して、礼儀作法として“身なりを整える言葉”が必要なのです。

これを丁寧語といいます。

状況としては、天秤の両端の上がり下がりの関係とは別に、天秤の動きを見とどけてくれる人に対するマナーとしての言葉が不可欠です。

これが丁寧語です。

それは私が話している尊敬の相手かもしれないし、または全く別の人、すなわち天秤に乗っていない人かもしれません。

天秤の様子を聞いてくれる人に対するマナーの言葉です。

まとめると次の通りです。

① 部長がおっしゃった = 尊敬語

② 部長がおっしゃいました = 尊敬語 + 丁寧語

① 部長に申し上げた = 謙譲語

② 部長に申し上げました = 謙譲語 + 丁寧語

①の文は日記に書く場合か家族の会話かということになります。

このままでは仕事上のお付き合いの場面では不十分です。

仕事では必ず②でなければなりません。

②の状況は、社会的関係の中で用いられる言葉遣いということを意味します。

このように尊敬語と謙譲語は単体で用いられることは極限られた条件でしかありません。

また尊敬語と謙譲語を同時に用いることはありません。

ところが、「尊敬語+丁寧語」や「謙譲語+丁寧語」の組み合わせはビジネスの場面では頻繁に出て来ます。

むしろ同時に用いてこそスムーズな会話が出来るといっても過言ではありません。

尊敬語、謙譲語、丁寧語の関係は分かりましたか。

「部長がおっしゃった(よ)。」ではビジネスでは通用しません。

ちゃんと尊敬語で表現しているのに不思議ですよね。

「部長がおっしゃいましたよ。」となって初めて「言葉遣いが出来ている」との評価を得られるんです。

ではこちらの表現はどうでしょうか?

「部長が言いました(よ)。」

これは尊敬語が含まれていませんね。

「ん?なんか変!」と感じますが、聞いている方としてはあまり嫌な感じは受けません。

それは丁寧語がちゃんと入っているからです。

このように考えると尊敬語と謙譲語の使い方は出来ていなくても、丁寧語さえ使えていれば相手には不快感を与えないと言うことです。

つまり「言葉遣いが悪い!」と言われている社員のほとんどが「丁寧語を使えていない!」ということなんです・

実際私が部下を指導して感じるのは、「言葉遣いが悪い」と指摘されている多くの社員のほとんどが「丁寧語を使えない」と言うことです。

逆に尊敬語と謙譲語の使い分けまでキッチリ出来ている社員はそう多くはありません。

年配社員や本社の役員もあやしいです。

なので新入社員のみなさんは丁寧語を徹底的にマスターしましょう。

ぶっちゃげ言うと「~です」、「~でした」、「~ます」、「~ました」の4語をいつも使うだけで、「あなたは言葉遣いが良い」との評価を受けることが出来るんです。

丁寧語の威力は凄いんですよ!

以上が「身なりを整える敬語」である丁寧語の説明になります。

まとめ

本日は言葉遣いの基本である「敬語の仕組み」についてお話ししました。

敬語には「敬いの敬語」と「身なりを整える敬語」の2種類の言葉があるんでしたね。

そして「言葉遣いが悪い!」と指摘されている社員のほとんどが「丁寧語がない」ということでした。

だからまずは丁寧語をマスターしてくださいね。

あなたの参考になれば幸いです。

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