学生さんが会社に就職して最初に学ぶのが言葉遣いです。
中でも敬語の使い方を徹底的に叩き込まれます。
しかしなぜ新入社員は敬語が使えないんでしょうか?
本日はこの問題についてお話ししますね。
あなたの参考になれば幸いです。
新入社員が敬語を使えない3つの理由はこれ!学生は敬語を使う機会が少ない!
ウチの会社にも毎年新入社員が入ってきます。
まだ学生さんの雰囲気が抜けきれなくても、次第に引き締まった大人の顔に変わっていくのが頼もしいですね。
ところで、みなさん悩んでおられるのが敬語です。
【 学生さんが敬語を使えない3つの理由 】
大卒または高卒で会社に就職して来る子のほとんどが、最初に言葉遣いの指導を受けます。
なぜならば、言葉遣いはビジネスの根本たからです。
多少粗削りであっても言葉遣いさえ出来れば、社内でも取引先でも多くの方に可愛がられて自然とスキルが伸びていくことを、教育担当者は知っているからです。
でもそもそもなぜ学生は敬語が使えないんでしょうか?
これには3つの理由があります。
まず1番目の理由は敬語を使う機会が少ないことです。
【 学生は敬語を使う機会が少ない 】
学生時代はほとんどが同学年との付き合いしかありません。
そのために敬語を使う機会が極端に少ないんです。
あってもクラブの先輩か学校の先生くらいです。
クラブの先輩や学校の先生も年長者であり、敬語を使う対象ではありますが、会社での人間関係に比べると徹底的な違いがあります。
それは親愛の情の深さです。
クラブの先輩や学校の先生は年長者ではありますが、保護者でもあります。
その子を可愛いと思ってくれる存在でもあります。
するとどうなるか?
付き合いを深めていくと子どものような感覚になって、多少言葉遣いが曖昧でも許してしまうんです。
これは決して悪いことではありません。
なぜならば先輩と後輩、先生と生徒との心の距離が近くなった証しでもあるからです。
ところが、会社に入るとどうでしょうか?
取引先やお客様とのやり取りにおいて、「親愛の情」は出て来ません。
「新しい担当者の言葉遣いが悪い!」とクレームが入ることはあっても、優しく見守ってくれるなんてことはありません。
「お宅の会社は新入社員に言葉遣いの指導はなさらないのですか?」と言われてしまいます。
取引先の新入社員の言葉遣いをオオメニ見てくれるのは、よほど信頼関係のある取引先だけです。
相手が下請けの会社だったらもっと大変です。
陰口にしかならないからです。
「今度の○○社の新入社員はクズですね!私に対してタメ口でしたよ!あれで取引先を回らせるんだからよっぽど人材が不足しているんだね!あれは絶対に表に出しちゃいけない人間だよ!」と陰で笑い物にします。
新入社員が敬語を使えない3つの理由はこれ!上司の問題。
2番目の理由は会社の上司にあります。
【 会社の上司も実は敬語が苦手 】
正しい敬語を使えない上司が実は多いんです。
会社の上司も新入社員の時は言葉遣いから叩き込まれました。
しかし、すぐに実務の方に追われて十分な敬語教育を受けられなかったんですね。
会社で全社的な言葉遣い改善キャンペーンをすることがあります。
これは新入社員のみならず、ベテラン社員も対象にしたものです。
本社で「言葉遣い啓発月間会議」が開かれ各支店の現状報告があります。
その席上で必ず上がってくる来る報告があります。
それは次のようなものです。
言葉遣いに関して、ウチの支店では若いメンバーの言葉遣いが少々良くありませんが年配の社員はほとんど出来ております!
参加していたのは支店長10人と本社の役員4人です。
その支店長の10人中9人もが、同様の報告をしたんです。
その報告に異を唱えたのは私だけ。
私の報告はこうです。
ウチの支店では歳を重ねると敬語が良くなると言うことはありません!
年配者も若いメンバーも出来ない社員は同様に出来ません。
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問題は上司が正しい敬語を使うことです。
そうすれば職場内での敬語の問題は解決します。
私の言いたいことはこうです。
年配者の敬語は問題ないと全支店長が報告するのは、正しい言葉遣いを指導出来る支店長がいないと言うことだ。
敬語が出来ないのは部下ではなくて、実はあなたたち支店長だ。
でもそんなことをこの会議の席上で報告出来る人はいないので、仕方なく本社の役員さんが納得してくれそうな理論を持ち出して発表しているに過ぎない。
つまり、『新入社員は敬語が出来ない!』という誰でも納得しそうな事を言って自分の能力のなさを隠そうとしているだけだ。
部下に敬語を勉強させるのではなくて、私たち支店長が、そして本社の役員が敬語の勉強をするべきだ!
そうすれば部下に強要しなくても自然と社内の言葉遣いは向上する。
私はこう言うことを会議の席上で申し上げました。
もちろん、言葉を選んで柔らかい表現にしましたよ。
でも理解してくれる人は誰もいませんでした。
その結果、「正しい敬語を使いましょう!」キャンペーンの開催は決定してしまいました。
こんなんで社員の言葉遣いが良くなるはずがありません。
新入社員が敬語を使えない3つの理由はこれ!いじめと同じ!
二つ目の上司の問題と表裏一体なのがこれです。
それはいじめの構造と同じなんです。
【 新入社員が敬語を出来ないのはいじめの構造 】
会社に入ったばかりの新人を捕まえて「お前は言葉遣いが悪い!」と言っているのは、いじめと同じです。
「お前たちの言葉遣いはなっていない!」と一喝(いっかつ)してしまえば済んでしまうからなんです。
教育担当者も実は何を教育すれば良いのか分からないんです。
お局様が若くてきれいな新人をイビリ倒してしまうのと同じです。
「新入社員は言葉遣いが悪い!」と言っておけば一応指導したことになります。
会社も何も言えません。
なぜならばキッチリ指導をしてくれていると思うからです。
これは会社自体が現場のことをよく理解していないと言うことです。
これは「指導と言う名のいじめ」なんです。
新入社員は若干荒削りな所があるのは事実ですが、敬語の能力においては年配者とさほど違いはありません。
むしろ最近の子の方がキッチリとした言葉遣いが出来ていると感じています。
ただ年配者の言葉遣いが問題になりにくいのは、お客様や取引先の相手が年下のことが多いために、相手が問題にしないことが多いだけです。
新入社員の教育担当者自身が敬語の能力に欠けているために、そのことに気付かないんです。
会社も「新入社員の言葉遣いを指導しています」と報告を受けて満足しているんです。
新人教育担当者は「敬語には尊敬語と謙譲語と丁寧語の三つがあります。その違いは・・・」程度の知識で敬語教育をしようとすること事態が間違えています。
まず敬語をキチンと説明できる人を教育担当者に据えるべきです。
まとめ
本日はなぜ新入社員は敬語が使えないかについてお話ししてきました。
問題は三つでしたね。
・本人の問題
・上司の問題
・組織の問題
実は新入社員自身の問題と言うのはほんの少しだけなんです。
それよりも会社の教育担当者の国語能力の低さと現場を見ようとしない会社の問題の方が大きいんですよ。
あなたの参考になれば幸いです。
最後まで読んでくださりありがとうございます。