成人式おめでとうございます。
式典には振袖ですか?
それともスーツですか?
えっ?お母様から受け継いだ着物ですか?
なになに?レンタルかクリーニングかで悩んでいる~?
なるほどお母様やお婆様から譲り受けた着物は黄ばみが出たりしますからね~!
それでは振袖をクリーニングに出してどのくらい綺麗になるのかについてお話ししますよ~!
あなたの参考になれば幸いです。
成人式の振袖はクリーニングでどのくらい綺麗になる?
着物のクリーニングの方法は次のような方法があります。
・クリーニングのみ
・洗い張りをして仕立て直す
・洗い張り後、全体に色をかけて仕立て直す
・洗い張り後柄部分に糊を置いて色をかけ、仕立て直す
・洗い張り後柄部分に糊を置いて色をかけ仕立て直し、さらに染みや黄変があれば金を乗せたり、柄を書き加えてもらう
【 クリーニングのみ 】
これは普通のクリーニングに出す方法です。
街中のチェーン店のクリーニング屋さんでも着物のクリーニングを受け付けてくれるところがありますので、一度問い合わせてみてください。
着物のクリーニングを受け付けてくれるお店はほとんどが「丸洗い」です。
次に説明する呉服専門店がやっているような「洗い張り」ではありません。
【 洗い張りをして仕立て直す 】
これは呉服屋さんを通じてクリーニングをお願いした場合、この洗い張りと仕立て直しになります。
洗い張りとは和服(呉服)専門の洗濯方法の一つです。
着物等、縫い合わせて衣服の形状をなしているものから糸を抜いて解き離し洗浄を行います。
解洗・解洗い(ときあらい)ともいいます。
これに対してそのまま洗うことを丸洗(まるあらい)といいます。
「洗い」が文字通り洗浄のことです。
丸洗いと異なり糸を全て外して反物(たんもの)の状態にして洗うんです。
「張り」が仕上げのことです。
糊(のり)を使用し、張って乾燥させることで光沢や風合いが増します。
その後、再び縫い合わせるのが仕立て直しです。
【 洗い張り後、全体に色をかけて仕立て直す 】
洗い張りをした後に染め直しを行ないます。
最も簡単な方法は全体に色をかけるやり方です。
染め直した後、仕立て直しを行います。
【 洗い張り後柄部分に糊を置いて色をかけ、仕立て直す 】
これも洗い張りをした後に染め直しを行いますが、その時に柄の部分に糊を付ける作業が入ります。
全体に色をかけると柄も一緒に染まってしまうので、それを防ぐために柄の部分にノリをかけて、柄が染まらないようにしています。
【 洗い張り後柄部分に糊を置いて色をかけ仕立て直し、さらに染みや黄変があれば金を乗せたり、柄を書き加えてもらう 】
それでも、シミや黄変が残った場合に、金色を乗せたりして柄を書き加えることも出来ます。
ここまで来ると着物のリフォームです。
専門の職人が手作業で行います。
着物のクリーニングは以上のように丸洗いから染め直しまでいろいろな種類があります。
ただ絹の黄変はクリーニング程度では落ちません。
昔から白や淡い色の着物は黄ばんでくるから長くは着ることが出来ないというのが常識でした。
そのため白い着物は最高のぜいたく品だったんですね。
そもそも白や淡い色の着物は若い娘の着物とされていました。
そして歳をとる頃には着物にも黄ばみが出ますから、歳相応に濃い色に染め直して着ていたんです。
そのようにして昔の人は着物を長く着ていたんですね。
呉服屋さんなら落ちる汚れと落ちない汚れはすぐに分かりますから、だいたいどの位の料金がかかるかも分かります。
なので一度呉服屋さんに持ち込んで見てもらうのが一番良いですよ。
成人式の振袖のクリーニングの料金は?
そして気になるクリーニングの料金は次の通りです。
帯のクリーニングは別料金になります。
あくまでも着物本体の料金です。
着物の種類によっても金額に差があります。
ここでは振袖に注目して見ていきます。
【 クリーニング店での丸洗い 】
8,000円~10,000円
最も簡単なクリーニング店での丸洗いの料金です。
オプションとして洗い張り、染め直しを受け付けてくれるところもあります。
この料金よりも安くなると、ネットに入れて他の着物と一緒にドラム洗濯機で洗うだけの業者がほとんどです。
なので品質にあまり期待出来ません。
安いところは安いなりの理由があるんですね。
【 着物クリーニング専門店 】
呉服屋さんのように洗い張り、つまり糸を抜いて反物にして洗うのではないけれども、それに近い高品質のクリーニングをしてくれるのが着物クリーニング専門店です。
料金はチェーン店よりも少し高めですが、細かいところまで丁寧に作業するので人気が高いです。
着物専門店における振袖の基本料金は12,000円~15,000円が相場です。
汗抜きと丸洗いを一緒に行なうと20,000円~25,000円くらいです。
またカビ取りと丸洗いを同時に行なうと22,000円~27,000円くらいになります。
帯は別料金になります。
少し高いと思われるかも知れませんが、一つ一つ手作業で行なうのでこの料金になります。
【 洗い張り 】
呉服店で行なう洗い張り料金は50,000円~70,000円くらいです。
洗い張りは糸を解いて反物の状態にしてから洗浄します。
乾燥させた後、ノリを引いて伸子と呼ばれる先に針の付いた竹で生地を張ります。
竹のしなりを利用してシワを伸ばしていきます。
布ノリを引いた状態で乾燥させるとシワが伸びていくんです。
洗い張りの次は仕立て直しです。
再び縫製して振袖に仕上げます。
このように大変な手間が掛かっているので、料金もそれなりにするんですね。
【 染め直し 】
反物の状態に戻っていますから寸法を変えたり、古い裏地を替えたり、色を変えることも出来ます。
染め直しは色物を黒に染めることはもちろん、黒を色物に染めることも出来るんです。
料金は普通の振袖を1着購入できるくらいの金額になります。
例えば50年前のお婆様の着物をお孫さんのために染め直した事例です。
シミを抜いて地色も変えました。
洗い張りから染め直して仕上げ直しまで行ない約25万円です。
シミ汚れが広範囲にあったために、地色部分の地直しにかなり手間がかかりました。
また、金・銀糸目もかなり落ちていましたので、全て描き直しをしました。
白いはずの胡粉加工の部分も汚れが目立ち、再加工しました。
その結果、地色だけでなく模様部分も晴れやかにすっきりと綺麗になりました。
お母様もうっとりするほどの出来栄えだと、とても喜んでおられます。
このようにお母様やお婆様から受け継いでこられた思い出の逸品であれば染め直すことによって着物が蘇ります。
成人式の振袖をクリーニングしないで着るという選択
最後に譲り受けた振袖をクリーニングしないで着るという選択肢です。
ひどい汚れやシミは落としますが、少しくらいの黄変などは気にしないで着るということです。
このような着物は風格があり歳月、歴史を感じさせます。
そのまま堂々とお召しになるのが素敵です。
「祖母が着ていたものです!」と言えば何も恥ずかしいことはありません。
むしろ伝統を感じる逸品となります。
年配の女性の目に留まり声を掛けられるやも知れません。
最近ではアンティークの着物も流行っております。
振袖自体にレトロ感が漂っているものをあえて選ぶ若者もいらっしゃいますよ。
お母様からの着物に自信を持ってください。
まとめ
本日は成人式の振袖のクリーニングについてお話ししました。
丸洗いから洗い張り、染め直しまで実に様々な種類のクリーニング方法があるんですね。
あなたのご予算に合わせて選んでくださいね。
素敵な成人式になるようにお祈りしています。
参考にしてください。