私は昔パワハラの加害者でした。

でも当時はパワハラをしていると言う意識はありませんでした。

しかし、今になって冷静に考えて見るとパワハラだったと思います。

本日はパワハラの加害者の心理を明らかにしたいと思います。

そうすることにより、被害者がどうしたら良いのか、対策が見えてくると考えたからです。

パワハラで苦しんでいるあなたの参考になれば幸いです。

スポンサーリンク
  

私はかつてパワハラの加害者だった!

私は5年前に左遷されました。

地方都市の支店の係長から、大都市の支店の平社員に降格されたんです。

その原因は係長として不適格な人間だと判断されたからなんです。

今は大きな観光地のど真ん中で、細々と仕事しています。

そんな中で、私はあることに気付きました。

それは、私が昔パワハラ係長だったと言うことです。

本日は、なぜ私が昔パワハラ係長だったのか、どんな心理状態で部下を追い込んで行ったのかを明らかにしたいと思います。

それが分かれば、パワハラの被害者が誰に相談したら良いのかが見えてくるからです。

私がパワハラしていたのは3回です。

・係長代理を精神的に追い込んで退職させた

・主任を精神的に追い込んで異動させた

・平社員を精神的に追い込んで辞める寸前まで行った

そこて、本日はひとつ目の事件を詳しく見て行きましょう。

【 係長代理を私の発言で退職させたパワハラ事件 】

係長代理は私の目から見て、仕事のできる方ではありませんでした。

でも社長がこの会社を興(おこ)したときからいる創業メンバーの一人でした。

年数が長いからと言う理由で係長代理に座っている人でした。

だから部下の指導なんて全然やってくれませんでした。

それどころか、部下のお手本にもならずに、自分勝手な行動が多かったです。

支店の足を引っ張っているように私には思えました。

他の社員やパートタイマーからも「係長、○○さんこんなことしていましたよ!」とクレームが上がって来るような状態でした。

私は彼にも何とか職責を果たしてもらいたいと常々考えていました。

私の考える彼の職責とは「部下のお手本になってチームを引っ張って行って欲しい」と言うものでした。

私は係長代理に毎朝の朝礼時に「何かひとこと発言するように」と指導しました。

しかし、係長代理はそれをしないんです。

私も負けずに「係長代理!一言お願いします!」と何度も言い続けました。

すると係長代理は、当たり障りのないようなことばかりを言うんです。

そして、係長代理が自主的に発言するのを期待して待っていると、何も言わないんです。

そして、3か月過ぎたある朝、その時が来ました。

私は朝礼の時にみんなの前でこう言いました。

「係長代理! あなたには毎回朝礼で一言話するように何度も言っているのに、なぜ何も言わないんですか?今月は、20日出勤の内、発言されたのは7回だけですね。じゃあ、来月は発言するときだけ来てください。発言しないんだったら休んでもらって構いませんよ!」と強い口調で言いました。

すると係長代理は「やってらんない!」と捨て台詞(ぜりふ)を吐いて、家に帰ってしまいました。

係長代理が職場放棄したことは、直ぐに会社に報告を入れました。

あとは、本社の人事部に対処してもらいました。

係長代理は2~3日自宅にも帰らず、街を徘徊していたそうです。

そして、人事課長が自宅の前で待ち伏せしていると、そこに係長代理が現れたんですが、係長代理は逃げて行ったそうです。

その一週間後に係長代理の退職が決定しました。

スポンサーリンク

パワハラを起こす加害者の心理はこれ!

人事課長が言うには「なんで係長代理は逃げるんだ?係長代理の言い分を聴いてあげようと思ってやって来たのに!これじゃあ、自分にやましいところがあったと言ってるようなものだ!」と。

係長代理と同期の別の支店の課長からは、「本人の能力以上のことをやらせたらダメだよ!」と言われました。

当時私は、正当な指導の範囲内と思っていましたが、今になって考え直してみると、「やり過ぎたな!」と思います。

「部下のお手本になって欲しい!」と言う想いが強すぎて、係長代理に能力以上の過大なことを要求していました。

パワハラの加害者側の心理として、「正当な指導の範囲内である!」と言うものがあります。

「これはパワハラです!」と係長代理から反発されても、「それはあなたが私の指示に従わないからです!あなたは次期係長とならねばなりません。そのためには部下の手本になり、この部署を引っ張って行かなければなりません。そのことを根気よくお話ししているだけです。」と言うつもりでした。

これは正当な指導の範囲内であると私は自信を持っていました。

私は係長代理を次期リーダーとして育てて行く責任を強く感じていました。

ですから私が係長代理を厳しく指導したのは、彼の将来の為であり、組織の将来の為だったんです。

当時の私には「自分が間違っているかもしれない」という疑念は少しもありませんでした。

つまり、私がパワハラの加害者となったのは、仕事に対する責任感が原因でした。

パワハラの加害者・被害者とならないために、どうすれば良かったのか?

では、そのような状況から抜け出すためにはどうするべきだったのでしょうか?

いろいろな解決策があると思いますが、その中からなるべく突拍子もない解決策を提示しようと思います。

突拍子もないというのは、なるべくあなたの気付かないような視点を述べたいからです。

あなたはこれまでも、たくさんの方に相談したり、自分で調べたりしてここにたどり着きましたよね。

でもどれも当たり障りのない無難な回答で満足できなかったと思います。

私はあなたに本当に解決して欲しいから突拍子もないことを言いますよ。

【 加害者にならない為にするべきこと 】

一つには係長代理を育てることを放棄すれば良かったと考えています。

無責任に聞こえるかもしれませんが、これは係長代理の能力の範囲内で出来る最大のことをやってもらうと言うことです。

私の心の中に、「係長代理を立派に育てて会社に評価されたい!」というものがあったと思うのです。

それが私のエゴであり、見栄です。

「私はこんな立派な指導者なんですよ!」とアピールしたかったんだと思います。

そうではなくて、係長代理の今持てる能力を最大限に発揮させるにはどうしたら良いかという視点を持つことが出来たらなと思います。

言うは易(やす)く、行なうは難(かた)しですが、そのような視点を持って部下に接すれば良かったと思います。

【 被害者にならない為にするべきこと 】

私がパワハラをしながら最も恐れていたことがあります。

それは「一部始終を上司に報告されること」でした。

どんなに自分では正当な指導の範囲内であると思っていても、上司から「それはやりすぎだぞ!」と言われたらそれ以上は何も出来ません。

これがヒントになるのではないかと思うんです。

あなたがもしも今パワハラで悩んでいたら、なるべくパワハラ上司の言葉を記録しておくのが重要だと思います。

そしてそれをパワハラ上司のさらに上の上司に報告出来たら良いですね。

上司の上司が良識ある人ならパワハラ上司にブレーキをかけてくれる可能性があります。

ただし、その上司の上司がパワハラの黒幕ってことも有り得ます。

その場合は、パワハラ上司がパワーアップしてしまい、逆効果ですね。

黒幕とは、部下を意のままに動かそうとする上司のことです。

そのよう上司は自分の命令に忠実な親衛隊を作ります。

黒幕の言う通りにすることで可愛がられていると、いつしか黒幕には逆らえなくなります。

というよりも、黒幕の言うことに疑問を持たなくなります。

そしていつしか黒幕の忠実な僕(しもべ)になっていくのです。

そんな黒幕とパワハラ上司の関係は本当に厄介です。

パワハラ上司のことを黒幕に訴えても、取り合ってくれません。

むしろ指導の範囲内で問題ないしと太鼓判を押されてしまいます。

だから人を見る目を養わなければなりません。

部下も賢くならなければなりませんね。

まとめ

本日は私自身がかつてパワハラ上司だった経験をふまえ、パワハラ上司の心理状態を明らかにして、対策を考えてきました。

自分がパワハラに巻き込まれないようにすると共に、自分がパワハラ上司にならないようにするには、どちらも知恵が必要だということです。

加害者にならないためには、部下の育成を放棄するんでしたね。

そして自分が被害を受けないようにするには、上司の言葉を全て記録することでした。

さらに上司の上司が黒幕でないなら全てを報告してください。

反対に上司の上司が黒幕なら諦めたほうが良いでしょう。

つまり会社を辞めることを視野に入れて検討してください。

なにも今あなたがいる会社にしがみつく必要はありません。

逃げることは決して悪いことではありませんよ。

逃げるのではなくてあなたに最適な環境を探すんです

日本にはこんなにたくさんの会社があるんですから、良い会社もあれば変な会社もあります。

もしかしたら転職してあなたにぴったりの良い会社にめぐり合えるかもしれませんよ。

今の会社だけが会社ではありません。

柔軟に考えてくださいね。

最後まで読んでくださりありがとうございます。

スポンサーリンク