これってパワハラかもしれない!

そんな時にあなたはどうしますか?

我慢する?

同僚に相談する?

上司を訴える?

本日はパワハラを会社に訴えて上手く行った事例を紹介します。

あなたの参考になれば幸いです。

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パワハラ相談はどこにする?上手く行った事例はこれ!

私は立場上部下からパワハラの相談を受けるのが多いです。

しかし上手く行かずに結局は部下が会社を辞める事で終了してしまうことが多いです。

自分が人事部でもなく、ただの支店の一中間管理職であり、もっと自分に知恵と力と立場があったらなあと悔やむことの方が多いです。

同僚からも「それはあなたの仕事ではない!パワハラ窓口に依頼したらいいじゃない!」と言われます。

もしかしたら私のせいで問題がこじれて、部下が辞めていっているのかもしれません。

そんな中で1件だけ上手く行った事例があります。

本日はその事例を紹介します。

その事例の中に上手くいく解決のヒントが隠されていると思うからです。

登場人物の名前や部署名は適当に脚色していますので、実在の人物ではありません。

ではさっそく始めましょう。

上司が職場のパワハラに気付く!

パワハラに気付いたのは、私ではなく私の上司でした。

会社ではチャランポランな性格で「どうしてこんなヤツが課長なの!」と周囲からからかわれている人物です。

でも不思議なことに人から恨まれるということのない課長でした。

私の目から見てもなぜか心許せる上司でした。

そんな課長が私を呼び出しました。

課長:「修繕(しゅうぜん)課の由美(ゆみ:仮名)ちゃん、なんか元気ないね!」

私:「そうですか?普通に見えますけど!」

課長:「お前、由美ちゃんをカラオケに誘えよ!」

私:「え~っ?私がですか?そんなことしたら変なうわさが立つじゃないですか?」

課長:「お前に変なうわさが立っても、これ以上お前の評価は悪くならないよ!だからやれ!」

私:「はぁ~? どういう意味ですか~? 私の評価は最悪なんですか?」

課長:「いいから、黙って従え! これは業務命令だぞ! それとも島流しに行きたいか?」

課長を信頼しているとはいえ、「私の評価はこれ以上悪くならない!」という言葉が気になって、なかなか由美ちゃんを誘えませんでした。

「自分で誘えば良いのに~!」

私は課長の真意が分からず、不満タラタラでした。

由美ちゃんを社外に誘う!

由美ちゃんを誘うのに苦労しました。

由美ちゃんは美人ではない(由美ちゃんゴメン!)。

仕事も出来る方ではない。

しかし、まじめにコツコツ努力する昔風の女の子だ。

どちらかと言えばおとなしいタイプです。

一昨年までウチの支店に勤務していて私も課長も彼女の事をよく知っている。

人事異動で隣の支店の修繕課に異動になりました。

それっきりだったので隣の支店でも頑張っていると思い込んでいた。

一方、私はと言えば今の支店で15年勤続の係長です。

今の古賀(ふるが:仮名)課長に厳しく鍛えられたお陰で社内の評価もイマイチ(?)で、変人と言われています。

私の変人ぶりは今回のテーマではないのでひとまず置いておいて、由美ちゃんの事を話します。

隣の支店の子なのでいつも会えるわけではありません。

せいぜい会議の時にすれ違う程度です。

彼女をどうやって誘い出すかですが、私は作戦を立てました。

「そうだ土井さんの送別会と称して誘ってみよう!」

ちょうど年末に土井(つちい:仮名)さんが定年退職するんです。

由美ちゃんは土井さんの元で新入社員として入ってきた子だったので、それなら変に思われることもないです。

でも念には念を入れよで、修繕課は通さずに、直接彼女に話をしようと思いました。

1ヶ月くらいかかりましたが、チャンスが訪れました。

ウチの支店のお客様の修理品を修繕課の由美ちゃんが担当したんです。

私は「お客様から○○の修理内容について詳細を聞きたいと言われています。つきましては○○の担当者に説明に来てもらえませんか?」と修繕課にメールしました。

この作戦は当たりました。

翌日由美ちゃんがウチの支店に来たんです。

私:「由美ちゃん元気?頑張っているね!」

由美:「お久しぶりです。元気ですよ!」

私:「あのね、土井さんが定年退職なんだ!だから○月○日の18時から駅前のカラオケで送別会があるんだ。来れない?」

由美:「え~!土井さんもう定年なんですか?そうかぁ!お世話になりましたからねぇ~!分かりました。行きます!」

私:「古賀課長も来るからドタキャンしちゃダメだよ!」

私は古賀課長も来ることを念押ししておきました。

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カラオケ送別会

カラオケには私と古賀(ふるが)課長が先に行き、土井(つちい)さんに由美ちゃんと待ち合わせしてもらいました。

男の私が待ち合わせするより、女同士の土井さんの方が自然かなと思ったんです。

カラオケ店に4人が揃いました。

由美:「古賀課長お久しぶりです。お元気ですか?」

課長:「おおっ!元気そうだな!」

由美:「あれ?これだけですか?他の人たちは?」

土井:「実はね、この送別会は表向きのことなの。本当は由美ちゃんのパワハラを聞き出す調査会なのよ!」

由美ちゃんの顔色が変りました。

私:「えっ?そうなんですか?」

私の方がビックリ!

そうか課長が変なこと言い出すなと思っていましたが、このことだったんだ!

でも由美ちゃんは「大丈夫ですよ!」の一点張り。

なかなか口を割りません。

そこで課長が核心にせまる一言を発しました。

課長:「お前、坂上(さかがみ:仮名)に揺すられているそうだな!」

由美:「・・・」

由美ちゃんは下を向いています。

そしてポツリポツリと話し始めました。

由美:「私仕事出来ないから・・・」

話をまとめると次のようになります。

由美ちゃんは修繕課に異動してから、坂上の元に付いた。

そして坂上に厳しく指導された。

坂上は時には由美ちゃんの失敗をもみ消すなどして可愛がった。

その報酬として金銭を要求していたと言うのです。

初めは「このコーヒーメーカー素敵ね!」と言う会話から、由美ちゃんがそのコーヒーメーカーを買って坂上にプレゼントしたのがきっかけです。

次第に品物だけではなくて現金を渡すようになって行ったというのです。

由美:「私の失敗をかばってくれたのは本当です。」

課長:「金額は幾らだ?」

由美:「10万・・・」

土井:「10万???ありえない!額が大き過ぎるわ!」

課長:「このままでいいの?」

由美:「実は毎月の支払いが厳しい・・・」

土井:「そりゃそうだわ!訴えてやりなさいよ!これはカツアゲだわ!」

坂上の退職

それから1ヵ月後に例の坂上が退職しました。

退職理由は「一身上の都合」となっていました。

由美ちゃんはそのまま修繕課で働いています。

私:「課長、坂上辞めちゃいましたね!課長、どんなことされたんですか?部長に伝えたんですか?」

課長:「いや、なにもしていないよ。」

課長はとぼけていました。

しかし、今回の坂上の退職には古賀課長が裏で糸を引いていると確信しています。

課長:「ところでお前、由美と付き合っているのか?社内恋愛はご法度だぞ!気をつけろ!」

私:「えっ?何のことですか?私カラオケ以来、由美ちゃんとは一度も会っていませんけど!」

土井:「あなたと由美ちゃんがカラオケでデートしたって噂よ!」

私:「エーッ!ちょっと待ってくださいよ~!」

土井:「ついでに言うとあなたが坂上を告発して由美ちゃんを救ったってことになっているのよ~!」

私:「え~!私、嫁さんも子どももいるのにそんな噂立てられたら、課長試験受けられないじゃないですか!」

土井:「大丈夫、あなたの社内評価、これ以上悪くならないわよ!」

パワハラ相談のその後

私の見聞きしたパワハラ事案で唯一上手く行った例です。

パワハラを解決してくれるのは社内、特に同じ部署内の人間ではなく、社外や他の部署など遠くにいる人間であるという良い例ではないでしょうか。

恐るべし古賀課長です。

しかし当分の間、課長試験を受けられなくなった私は、一体どうしたらいいんだ~?

子供もこれから中学受験をしようかと考えていたのに~!

ひどいよ! 古賀課長~! これこそパワハラだ~! 訴えてやる~!

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