今職場でパワハラを受けているあなたのお辛い気持ちよく分かります。

でも負けないでください。

必ず解決の道があります。

本日は、私が部下からパワハラの相談を受けて、会社の直属の上司に相談した結果、どうなったかについてお話ししたいと思います。

必ずしも上手く行ったわけではありませんが、パワハラ相談におけるいくつかの注意点を教えてくれる良い事例だと思い、記事にしました。

あなたの参考になれば幸いです。

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職場のパワハラ相談はどこにするのが良い?その上司に話した結果は?

結論から先にお話しします。

私の思うような結果にはなりませんでした。

むしろ逆で、今でも後悔しています。

でもこれで良かったんだと最近思うようになりました。

なぜならばその事件によって新しい世界が開けて行くからです。

なので今パワハラで苦しんでいるあなたの状況は、もしかしたら新しい世界へ飛び出すための期間なのかもしれません。

ちょうど青虫がさなぎの期間を通して蝶に生まれ変わり大空へ羽ばたいていくように!

そんな期待を込めてあなたに贈ります。

これからお話しする私の実体験があなたのお役に立てればこれに勝る喜びはありません。

名前や支店名などは脚色していますので、実在の人物、支店ではありません。

ではさっそくはじめて参りましょう。

パワハラ相談は社内それとも社外?

私がパワハラの相談を受けたのは今から約5年前の2013年の暑い夏の日でした。

彼女の名前はひとみちゃん(仮名〉です。

昔東北地方の支店で3年ほど一緒に仕事をしたメンバーです。

短大卒で入って来てちょっと天然なところがあり、失敗も多かったけれどもいつも一生懸命な頑張り屋さんでした。

ひとみ:「先輩!ちょっと相談に乗って欲しい事があるんですけど良いですか?」

久しぶりに電話がかかってきたので「今度は何の失敗をしたの?」と聞いてみると、「あ~?そんなんじゃないですよ~!もうっ!」と明るい感じ。

でもパワハラを受けていると言う。

「あいつは後先考えずに行動することがあるからな~!おそらくあいつが何かやらかしたんだろう!」と思って、「分かった、話を聞くよ!」と約束をしました。

その週末にファミレスで昼食を共にしました。

「ふ~ん!そんなことがあったんだ~!」

私はひとみちゃんの訴えに同情しつつも、「彼女にも落ち度があるのだろう!」と心のどこかに思うところがあって今ひとつ真剣になれませんでした。

そして「私に話して気持ちが紛れてくれたら良いな!」と淡い期待をして家路に着きました。

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半年後

それから半年が過ぎて冬が来ました。

ひとみちゃんからはその後何にも連絡がなかったので何とか上手くやっているのだろうと思っていました。

ところがそうではなかったんです。

状況はさらに酷くなって行ったようで、精神的にも追い詰められていっていました。

そしてもう一度電話が来た時にはもうかなり危ない状況でした。

「そりゃ、ひどいな!」

私は彼女の苦しい立場を何とかしたいと考えて彼女の話をレポートにまとめました。

そして私の直属の上司に相談したんです。

私の上司は私のレポートを信じてくださり「これは東日本支店の話だから○○支店長に話してみよう!」と言ってくださいました。

支店長とは直接のつながりがなかったので、私は上司にお願いしました。

そして私は直属の上司と一緒に支店長のもとを訪れました。

支店長は私のレポートに目を通してこう言いました。

「告訴するの?」

私は一瞬たじろぎました。

「これは大変なことになったぞ!」と思いました。

そしてひとみちゃんの事を思い浮かべ「彼女が戦えるだろうか?」と考えました。

「戦うのは彼女? それとも私? 誰と戦うの?」

色々な思いがグルグルと頭の中を駆け巡りました。

私をじっと見つめる支店長に早く答えを出さねばとあせりました。

そしてこう答えました。

「いえそうではありません。彼女の行動にも問題があると思います。おそらく彼女は少しキツ目の指導をそのように感じているのだと思います。」

それに対して支店長は「そう!じゃあこのレポートは私で止めておいて良いの?」と聞いてきました。

私は「はい、お願いします。」と答えて支店長のところを後にしました。

私はひとみちゃんに支店長との話の内容を伝えました。

ひとみちゃんは「先輩、ありがとうございます。先輩に相談出来て良かったです。なんとか頑張れそうです!」と答えました。

私はひとみちゃんの声が明るかったのでホッとしました。

予想外の結末

それから3ヶ月後の3月末、人事異動が発表になりました。

私はその異動票をみて愕然(がくぜん)としました。

退職者の欄にひとみちゃんの名前があったんです。

私は複雑な気持ちになりました。

「彼女を救えなかった!」

上司にもそのことを伝えると「彼女なら明るいからどこでもやっていけるよ!」と励ましてくださいました。

私もそう思って自分を納得させました。

パワハラ相談のその後

さらに半年が過ぎました。

私もひとみちゃんのことは思い出すこともなく自分の仕事をしていました。

そして秋の人事異動で入社3年目の若い男性社員がウチの支店に異動して来ました。

ちょっとオタクっぽい感じのイマドキの青年です。

その社員からひとみちゃんの事を聞いたんです。

「ひとみちゃん、かわいそうでした。営業から回って来た領収書を隠されたり、電話を取り次ぐフリをして切られたり。彼女はそれでも笑顔で頑張っていましたよ。」

私はひとみちゃんから相談を受けたことは内緒にして、彼に対してひとみちゃんの当時の様子を詳しく聞きました。

「ひとみちゃん、昔の上司に相談しているから大丈夫だって言ってましたよ。」

私は彼に尋ねました。

「その後どうなったの?」

彼は答えました。

「イジメが酷(ひど)くなったんですよ!」

「えっ?」

私は耳を疑いました。

「あそこの支店は支店長が曲者なんです。支店長のお気に入りになったらどんどん出世していきます。ところが支店長の目の敵にされると居場所がないんですよ。だってみんな支店長の息のかかった係長たちですから。」

「そうなの?」

「君の目から見て、ひとみちゃんは本当にいじめられていたと思う?」

「いじめです!指導と言う名のいじめです!課通達に判子押し忘れで始末書提出ですよ!みんないつターゲットにされるか冷や冷やしていますよ。」

「へ~?支店長は本社の評判はどうなの?」

「本社からは部下の指導力に長けていると評判が良いんですよ! ひとみちゃんは支店長以下課長連中の親身な指導にも関わらず改善の様子がなく、自らの能力に限界を感じて退職したと言うことになっているんですよ! おかしいと思いませんか?」

「う~ん、そうかあ!」

ということは、私はパワハラの黒幕に情報を提供していたと言うことになります!

私のレポートがきっかけで、いじめが酷くなったってことか!

「告訴しますか?」の問いに「もちろん!」と答えていれば状況は変ったのかも知れません。

でもあの時はそうは答えられなかった。

何故か?

おそらく「彼女にも落ち度がある!」と思っていたからです。

なぜあの時に、もっと調べなかったのか?

なぜあの時に、証拠を固めなかったのか?

会社にパワハラの改善を要求することがどういうことなのか、今更ながら自分の甘さ加減が分かってきました。

悔しいです。

とても悔しい!

それから5年経ちますが、ひとみちゃんは一体どうしているのか?

気になります!

電話番号も分かっているけれど、かけられない。

会わせる顔がない。

新しい職場で元気に頑張っていることを願うばかりです。

私自身は相変わらず今の支店の中でのほほんと仕事しています。

今の職場は働きやすくて本当に感謝しています。

まとめ

本日は私が実際にパワハラの相談を受けてそれを上司に相談した時のことを書きました。

ひとみちゃんが私に相談したのは正しかったと思います。

しかし私の対応が間違っていました。

私はよく下調べをして、「告訴」に踏み切るべきでした。

弁護士を立てて会社と闘うべきでした。

「ひとみちゃんにも落ち度があるかもしれない!」これが私の目を狂わせました。

なぜひとみちゃんの事を100パーセント信じてあげられなかったのか?

「自分の立場が危なくなるから?」

「会社と戦うのが怖かった?」

異動してきた社員がこう言いました。

「ひとみちゃんは新しい世界に飛び出したんですよ。彼女ならどこでもやっていける!あんな支店、早くおさらばして良かったんですよ。僕はそう思いますよ。」

私もそう思いたいです。

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