上記の写真をご覧になってください。
これはガスコンロの炎です。
この写真だけ見て、どこに異常があるのか、あなたは分かりますか?
みなさん、こんにちは。
本日はガスコンロの正しい炎についてお話しします。
いつも台所を預かっている主婦の方のお役に立てると嬉しいです。
ガスコンロの火がまばらなのはなぜ?
前回の記事の最後が妻からのこんな質問でした。
「このガスコンロの火は変じゃないの?ここも炎が出ないように見えるけど、異常ではないの?」
いや~、鋭い質問ですね~!
冒頭の炎の写真を見て、あなたはどう思いますか?
正常? それとも異常?
おかしいと思いますか?
炎が一部ついていないから、ダメですか?
答えを先に言っちゃいますよ!
これで正常なんです!
変ではないんです。
【 正しい炎とは! 】
正しい炎とは、均等な円形です。
と言っても真円(しんえん)ではありません。
色は少し緑色の入った青色です。
そして勢いを感じます。
逆に強すぎるのもあまりよくありません。
昔の炎の形は真円でした。
ウチのガスコンロも買い換える前の古いコンロは火が真円でした。
その時のバーナーヘッドはクルクル回りました。
今のバーナーヘッドは全然回りません。
昔の映像が頭に焼き付いている人は、冒頭の写真を不思議に思うんです!
「炎がデコボコしていてキレイな円形じゃない!」と。
でもそう考えてしまうのは、決して悪いことではありませんよ。
むしろ炎を見て「パーナーキャップが汚れているかも!」と考えられる訳ですから、すごい人なんですよ!
ガスコンロの火が一部つかないのはこれが原因!
【 デコボコ炎の原因はこれ! 】
もう一度冒頭の写真をよ~く見てみましょう。
これ、デコボコしているけれども、規則正しいですよね!
等間隔に大きくなったり、小さくなったりしています。
もう、気付きましたね!
そうなんです!
これは、五徳(ごとく)に合わせて、わざとデコボコな炎になるようにしているんですよ~!
他の機器も見てみましょう。
これはカセットコンロです。
ほらこちらも4箇所均等に炎が小さくなっています。
なぜこんなことをしているのか、分かりますか?
それは、五徳(ごとく)を守る為なんです。
五徳は「お鍋を保持する」と言うとても大事な役割を担(にな)っています。
その五徳は常に強い炎にさらされています。
長時間つけっぱなしにしているのもトラブルの元です。
強い火が当たったり、冷えたりを繰り返していると、そこがだんだん傷んで来ます!
そんな五徳を長く使っていると、いつか折れてしまうかも知れません。
その時、お母さんを守れるの?
ガスコンロの設計者は「お母さんを守りたい!」との一心で、こんなデコボコした炎の出るガスコンロを開発したんです!
ガスコンロの火が一部つかないのはお母さんを守るためだった!
この新しいバーナーヘッドを採用してもらうにあたり、開発担当者には大変な苦労があったろうと想像できます!
「普通のバーナーヘッドじゃダメなのか?」「コストがかかりすぎる!」「こんなものが売れるとは思えない?」と上司からさんざん文句を付けられ、なかなか採用してもらえなかったと。
でも、信念の人は強いですね。
開発担当者があまりにも強く勧めるものたから、上司もついに折れ、「そこまで言うなら覚悟は出来ているんだろうな!」と、辞表片手の商品発表だったに違いありません。
こんな複雑な形をしたバーナーヘッドには、「お母さんを守りたい!」と言う、一人の開発者の熱い思いが込められているんでした。
最後に
この話を妻に聞かせてあげたら、「ふ~ん、そうなんだ!苦労したんだね!」と。
「ところでね!」
あっ、また妻の目がキラリと光ってます!
な、なによ!
「今度は左が点かないんだけど・・・! お・ね・が・い! ふふふっ!」
ふふふって、あんたね!
なんで続けて起こるわけ!?
で、今度は何?
「今度は火花が出ないよ!」
ふーん!?
でもパチパチ音はしているねぇ!
「右側は普通に使えるよ!」
ホントだ!?
さあ、今度は左側の修理に取り掛かります。
これは結構かかりそうなので、次回報告しますね。