出雲駅伝が始まりましたね。

今年はどんなレースが展開されるのか楽しみですね。

ところで出場チームの中に「アイビーリーグ選抜チーム」というのがありますが、これがどんなチームなのかご存知ですか?

本日は出雲駅伝に参加しているアイビーリーグ選抜チームについて詳しくお話しますよ。

スポンサーリンク
  

出雲駅伝のアイビーリーグ選抜ってどんなチーム?

アイビーリーグ選抜チームとは海外からの招待校の一つで、アメリカの東海岸にある下記の超名門大学からの選抜メンバーで構成されたチームのことなんです。

・ブラウン大学

・コロンビア大学

・コーネル大学

・ダートマス大学

・ハーバード大学

・ペンシルベニア大学

・プリンストン大学

・イェール大学



この中でよく耳にするのはハーバード大学ではないでしょうか。

アイビーリーグをイメージで言えば東京大学と早稲田大学、慶応大学を一つにまとめたような大学と考えれば良いです。

そんな大学が8つもあるんですね。

アイビーリーグ選抜チームは1998年の第10回大会で初めて招待校として参加し、それ以降毎年参加しています。

過去の成績は下記の通りです。

第10回 1998年 15位

第11回 1999年 17位

第12回 2000年 14位

第13回 2001年 12位

第14回 2002年 19位

第15回 2003年 20位

第16回 2004年 16位

第17回 2005年 14位

第18回 2006年 13位

第19回 2007年 12位

第20回 2008年 17位

第21回 2009年 13位

第22回 2010年 15位

第23回 2011年  8位

第24回 2012年  8位

第25回 2013年 14位

第26回 2014年 大会中止

第27回 2015年  9位

第28回 2016年 14位

第29回 2017年 10位

第30回 2018年 11位

10位以内に入ることもあり、なかなかの好成績を収めていますよね。

毎年総参加チームが22くらいですから、常に中位をキープしています。

アイビーリーグ以外にも過去に海外からの招待校はいくつかあります。

【 過去の招待チーム】

1991年には中国から上海体育大学と米国のサンフランシスコ大学が1回限り参加した事があります。

また2002年には韓国学生選抜を招待(この年のみ)したことがあります。

2010年にも中国の北京体育大学を招待しましたが、人数が揃わなかった為に出場出来ませんでした。

スポンサーリンク

アイビーリーグの大学の特徴はこれ!

アイビー・リーグとは英語で Ivy League と書きます。

これらはアメリカ合衆国北東部にある8つの私立大学グループの通称のことであり、これらの大学が参加する連盟の名称としても用いられています。

つまりアメリカ東海岸に設立された伝統的な私立エリート校のグループのことなんです。

アメリカの政界や財界、法曹界などに多くの卒業生を輩出しています。

ルーズベルト元大統領やJ・F・ケネディ元大統領はハーバード大学出身、ブッシュ元大統領とクリントン元大統領はイェール大学出身などアメリカ歴代大統領の多くがアイビーリーグ出身者です。

実業界ではマイクロソフトのビル・ゲイツがハーバード大学ですね。

ハリウッドスターのトミー・リー・ジョーンズはハーバード大学、ジョディ・フォスターはイェール大学です。

この「アイビー」の名称の由来ですが、これらの大学の多くにツタ (ivy) の絡まる古いレンガ造りの校舎が建ち並ぶことにちなんでいます。

また卒業生にツタを植樹する習慣もありました。

その歴史は古くアメリカ独立戦争のころにさかのぼります。

各大学はスクールカラーを持っており、独自の校風を維持しています。

【 歴史の古い大学 】

コーネル大学を除く7校は独立戦争前に創立されています。

つまりイギリス本国がアメリカ植民地における高等教育を行っていたのが発祥です。

そのためほとんどの学生が白人のプロテスタントの裕福な家庭の男子でした。

独立戦争の頃に共学だったのはコーネル大学のみです。

これらの大学のスポーツチームが注目を集めるようになったのは1930年ころのことで、8校のチームを指して「アイビー・リーグ」という表現が用いられるようになります。

やがてアイビー・リーグという言葉は、しだいにスポーツリーグの呼び名から『白人のエリート層』を指す語としても使われるようになります。

この状況は1940年代まで長く続きます。

【 門戸の開放 】

ところが第二次世界大戦以降、アイビー・リーグの各校は順次共学化し、多様な学生にも門戸を広げるようになります。

最も共学化の遅かったコロンビア大学でも1983年に共学化しています。

今ではさまざまな人種の学生が入学できるように入試制度が改革されています。

もちろん日本からも多くの留学生がアイビーリーグを目指しています。

日本からアイビーリーグを目指す学生のための専門の予備校も複数あるんです。

入試には次の条件をクリアしなければなりません。

1.SAT(年に数回実施される全国共通テスト)

2.TOEFL

3.英文エッセイ

4.推薦状

5.課外活動

6.面接

7.高校での成績

最近は英文エッセイを重視する大学が増えています。

そのためには英語力以外に面白い体験を積まなければなりません。

なぜならば体験からしか個性的な考え方は生まれてこないからです。

日本のように試験の結果のみが重要視されるのではありません。

学生の人間性も含めたトータルな判定がなされます。

また貧困層家庭であるとか、親が大卒ではなく家族の中で初めて大学に進学する学生を優遇するなどの措置もあります。

【 手厚い奨学金 】

やる気さえあれば家庭の経済状態には関係なく誰でも入学出来ます。

入学に際して、各家庭の財政状況は一切問われません。

また合格者には家庭の負担能力に応じて奨学金を出しており、40パーセントから70パーセントの学生が大学から奨学金を得ています。

奨学金の支給額も入学が決まってから行われます。

アイビー・リーグ8校は国内の他大学に比べて特に財政状態が安定しています。

これは卒業生が卒業後多額の寄付をする習慣があるためです。

そのため、奨学金支出の基準も他の大学に比べてきわめてゆるやかに設定されています。

例えばアメリカの平均世帯所得が約5万ドル(約500万円)ですが、ハーバード大学では6万5000ドル(約650万円)を「低所得世帯」としており、この基準を下回る世帯の学生には大学生活にかかる費用を、授業料・生活費も含めて全額大学が支援します。

【 貴族の精神 】

しかし親や親戚にその大学の卒業生がいる者が有利になるのは昔も今も変わりありません。

実際に在学生は富裕な家庭出身に偏っているのが実情です。

ハーバード大学では学部生の約半分は世帯所得が20万ドル(2000万円)以上の家庭の子供です。

ペンシルベニア大学でも3割近くの新入生が親の所得が25万ドル(約2500万円)、イェール大学では7割近くの学部性が12万ドル(約1200万円)以上の世帯所得の家庭出身です。

これは「レガシー (legacy)」と呼ばれる制度で、イギリスの貴族教育から来ています。

イギリスでは伝統的に「貴族の子は生まれながらにして国家に尽くすのが当たり前」とする考えです。

彼らには将来の経済的な心配をする必要は全くありません。

それよりも彼らに要求されるのは「国家の一大事に命を差し出す覚悟」です。

裕福な家庭の子は優秀な学校を出て国家のために尽くすべしとする考え方です。

実際にハーバード大学ではレガシーの合格率は一般志願者の5倍の30%近くにもなります。

各校とも生活費を除く年間の学費が5万ドル(約500万円)近くかかります。

これはアメリカのサラリーマンの年間の平均収入に当たります。

つまり裕福な家庭の子は生まれたときから将来国家のために尽くすのが当たり前なんです。

一部そうでない家庭の子もおりますが・・・

【 卒業率の高さ 】

「アメリカの大学は入学は容易だが卒業は厳しい」と言われることが多いです。

全米の大学における卒業率の平均は50パーセント〜60パーセントです。

しかしアイビー・リーグの8校はすべて卒業率が95パーセントを超えています。

これはアイビーリーグの各大学が富裕な財政基盤を背景に、学生指導や生活相談に手厚い体制を取っていることが背景にあります。

アメリカでは政財界のリーダーの半数がわずか12校の名門大学卒業生で占められています。

そのうちの8校がアイビー・リーグです。

【 初任給の高さ 】

卒業後の平均所得もかなり高いです。

とくにハーバード大学やコロンビア大学、プリンストン大学では卒業生の平均初任給が9万5000ドル(約950万円)です。

アメリカの平均世帯所得が5万ドル(500万円)ですから、アイビーリーグ卒の初任給は平均年収の2倍ということです。

こりゃ、世界中の学生がアイビーリーグを目指すのも分かりますよね。

アイビーリーグの大学にスポーツ推薦はあるの?

アメリカの大学にスポーツ推薦なるものはありません。

コーチが上手な選手をスカウトすることはあっても、スポーツの実力だけでは入学できないんです。

日本の教育環境では、スポーツに打ち込んでいれば勉強ができなくても大目に見てもらえてしまいます。

ところがアメリカの大学は、日本の高校や大学とは逆の発想で大学スポーツが運営されています。

スポーツが忙しくて勉強ができないのであれば、スポーツをやめてでも勉強を優先するように指導されます。

ですからアメリカの大学でスポーツをするからには、スポーツをしない人以上に、責任感を持って勉学にも励まなければならないんです。

これがアメリカの大学スポーツです。

なのでアメリカの大学への入学基準に関しても、日本のようなスポーツ推薦の概念はありません。

いくらスポーツで華々しい実績を残していても、それが出願時の合否判定で有利に働くことは原則としてありません。

スポーツをしていようとなかろうと、純粋に総合的な人間力を見て合否が判定されます。

「スポーツでの実績は、合否や奨学金額の判定には一切考慮しません」と宣言している大学が多数あります。

これはアイビーリーグでも同じです。

【 スポーツ協定 】

アイビーリーグのスポーツ協定には次のような条項があります。

・本協定の加盟校は運動奨学金の禁止を再確認する。

・選手はあくまでも学生として入学を許可し、奨学金は他の学生と同様に学業成績と経済的必要性のみを考慮して給付しなければならない。

アメリカの大学にはこの協定が今でも生きています。

【 日本からアメリカの大学にスポーツ留学する人っているの? 】

います!

最近ではNBAドラフトで1順目9位で指名された八村塁選手ですね。

彼はベナン人の父に日本人の母を持ちます。

高校まで日本で過ごしアメリカの名門ゴンガザ大学に留学しました。

かれがアメリカ行きを決意したのは高校3年生になってからです。

お母様は英語の教師をされていますが、お父様は日本で飲食店を経営し、家の中ではほとんど日本語だっため、英語はほとんど話せませんでした。

八村選手ほどの実力があっても、アメリカの大学ではスポーツの推薦を受けられません。

特待生になるためには、勉学においてクリアしなければならない基準があるんです。

それがSATと呼ばれる大学進学適性試験で、数学と英語をクリアしなければいけなりませんでした!

そこで彼は高校3年生の4月から集中的に勉強をスタートしました。

英語は専任の米国人の先生を付けて、数学は高校の担当教員からマンツーマンで指導を受けました。

そして夏休みに実家へ帰省する時にも、米国人の先生がついて行き、貸し会議室を借りて英語を勉強しました。

土曜日の練習前の午前中や、夜にも残って勉強したんです。

また練習の合間にテキストで自主学習を進め、インターネットで過去問を取り出して学習するなどほとんど勉強漬けの毎日を送りました。

その甲斐あって、見事合格!

でも入学当時の彼の英語力はコーチに言わせると「八村の英語は10パーセントしか分からなかった!」と言うのです。

しかし、3年生になると「100パーセント分かるようになった!」と言います。

なんと彼はゴンガザ大学でも家庭教師を付けて、練習後や移動の合間に英語を勉強し続けています。

まとめ

本日は、出雲駅伝のアイビーリーグ選抜チームについて詳しくお話ししました。

世界の将来を担うような人材がランナーとして走っているんでしたね。

もしかしたらアイビーリーグ選抜選手の中から次期大統領候補が現れるかも知れませんよ。

そんなことを考えながら見てみると、また違った楽しさが見えてきます。

でも残念ながら最高位で8位ですからいまいち注目を浴びませんよね。

今年こそは上位に食い込んでくれることを願うばかりです。

スポンサーリンク